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DXとソフトウェアデファインドの関係

前節:JEITA北陸セミナー2024 「DXとSD」 次節:SDxはDXを救えるのか?

DXの肝要はデジタルデータです。これをどのように活用して目的達成をするかがDXの肝です。そしてデジタルデータを活用する方針のひとつにソフトウェアデファインド(SD)があります。DXは製造や製品・サービスを対象にし、さらに会社全体を対象にしています。さらにDXは会社から社会へと対象を発展させてきて、SDGsへの道を歩んでいます。一方、SDはSDV(ビーグル)やSDN(ネットワーク)、SDS(ストレージ)の具体的な事例から、SDC(カンパニー)やSDO(オーガニゼーション)のような会社・組織そのものをソフトウェアで柔軟に運営することに発展しています。さらにその先にはSDE(エコシステム)やSDW(ワールド)へと行き着き、これはSDGsの有効な手段になるでしょう。このようにDXとSDは目的と実装という関係があり、その発展過程においても類似性があり、ともに成長していくことでしょう。

DXとは

DXとは、目的達成のために、デジタル技術を活用し、対象を変革し続けることです。そのときに肝要となるものは「デジタルデータ」です。このデータをどのように活用できるかがDXの肝です。

データを活用するために使うのがデジタル技術です。デジタル技術がメインではなく、あくまでもデジタルデータを使うための手段がデジタル技術です。これらの関係は以下のようになります。

目的 > 変革 > デジタルデータ > デジタル技術

DXの目的はそれぞれの状況に応じて色々なものがあり、そのための変革対象はそれぞれで異なっています。例えば、製造過程を変革の対象にする、製品やサービスを対象にする、次に部門や会社全体を対象にすることがあります。さらに発展して、社会全体をDXの対象にするようになってきました。これらの関係は以下のようになります。

社会 > 会社 > 製品/サービス > 製造

ソフトウェアデファインド(SD)とは

ソフトウェアデファインド(SD)とは、ソフトウェアによって対象の目的や機能を定義することです。SDに対するハードウェアデファインド(HD)は物理的な機械装置によって対象を定義することです。

SDはHDと比較して柔軟に定義でき、動的に目的や機能を変更できます。効率はHDの方が勝るかもしれませんが柔軟さはSDに軍配が挙がります。逆に言えば、効率をあまり考慮する必要がないときは、SDの方がいいでしょう。

SDの事例としては、SDV(ソフトウェアデファインドビーグル)SDN(ソフトウェアデファインドネットワーク)SDS(ソフトウェアデファインドストレージ)などがあり、ソフトウェアで自動車の操作を定義し、ネットワークやストレージの構成・機能を定義します。これをここでは狭義のSDと呼び、物理的なSDになります。

SDの考えを会社の経営までに発展させたものがあります。商品企画などの経営判断を固定的なハードな方法で行うのでなく、柔軟にソフトに遂行するようにします。これをSDC(ソフトウェアデファインドカンパニー)と呼びます。物理的なSDに対して、その商品企画などをSDの考えで遂行するSDは、全社的なSDになります。これをここでは広義のSDと呼びます。

さらにこれを発展して、社会全体にまで発展させるSDが考えられます。これはSDE(ソフトウェアデファインドエコシステム)SDW(ソフトウェアデファインドワールド)と呼びます。つまり社会全体が柔軟にソフトに進んでいくころになります。特に行政はソフトウェアデファインドになるべきでしょう。これをSDG(ソフトウェアデファインドガバメント)と呼びます。これらの各種のSDを分類すると以下のようになります。

SDE/SDW > SDC > SDV/SDN/SDS 
社会 > 会社 > 物理

感想:行政DXを実現するためにもSDGが肝になるでしょう。ぜひ実現してほしいものです。

DXとSDの関係

DXとSDの共通点はもちろんデジタルであり、その技術対象の中心はソフトウェアです。
そうなのです、デジタル技術はソフトウェアが中心です。ソフトウェアがハードウェアよりも偉いのです(個人的感想が少し入ってしまいました)。

DXの肝要であるデジタルデータを活用するデジタル技術で、重要な考えにソフトウェアによる定義(SD)の考えがあります。ソフトウェアによって、対象の目的や機能を定義することで、刻々と変化するデジタルデータを柔軟に最大限に活用できることができるでしょう。

このように考えるとDXとSDには切っても切れない密接な関係があります。つまりDXのデジタルデータ活用のために(狭義の)SDがあります。

またここまで紹介してきたように、DXと(広義の)SDはともに社会全体を対象にするようになってきました。この先にあるのはSDGsになるでしょう。これが目的のひとつになるでしょう。この意味ではSDGsの実現手段としてDXと(広義の)SDがあるでしょう。これらの関係を以下に示します。

SDGs > DX > SD

ということで今日の結論。「DXとSDはなかよし」 以上です。

参考:JEITA北陸セミナー2024 中小製造業のDXとソフトウェアデファインド
JEITA北陸セミナー 2024 中小製造業のDXとソフトウェアデファインド
JEITA北陸セミナー2024 「DXとソフトウェアデファインド」(オンライン有)
参考:SDxはDXを救えるのか?|五味弘 (note.com)
参考:IPA 中小規模製造業者の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド |


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