ローイングと受験勉強の違い、共通点:案外同じ、案外違う20241029
はじめに:受験勉強とローイングの相違点
受験勉強とローイング、一見全く違うように見えますが、
大きな共通点があります。
オックスフォードやケンブリッジなど、
世界の名門大学でローイングが強いのも、
もしかするとそんな大きな共通点を活かしているのかもしれません。
今回は、受験勉強とローイングの「共通点」と「違い」について話します。
そして、勉強より
ローイング(スポーツ)の方が難しいんじゃない?ということを伝えます。
共通点:積み重ね、努力、そして諦めないこと
ローイングにしても、受験勉強にしても、どちらにおいても、成功の鍵は「積み重ね」です。毎日やることです。
毎日の勉強やトレーニングが力となり、目標に近づくための道筋となります。
加えて、何度失敗しても諦めないことが求められ、意思の強さ、自分を信じる気持ち、本番での集中力など、ほとんど全てが同じです。
また、どちらにも失敗には必ず原因があり、失敗を分析して改善することが次の一歩につながることも同じです。
「ただただ勉強する」のが良くないように、
「ただただトレーニングする」こともよくありません。
失敗を分析し、
しっかり目的を定めてトレーニング(勉強)することが
改善のための大きなカギになります。
中野的、大きな共通点:座る
ローイングと受験勉強の大きな共通点は、
なんといっても「長時間座る」ことです。
長時間勉強しないと入れない大学の学生が、
ローイングに向いているかもしれないことの1つに、
「長時間座ることに慣れている」ことがあります。
勉強は1日10時間を超えることはザラにあります。
ローイングは長くて1日4,5時間。
とはいえ座ってこれほど長時間行うスポーツはローイングしかないでしょう。
以下は、違いについて。
ローイングと受験勉強の大きな違い①:結果の明確さと分析の難しさ
受験勉強では、どこで点を失ったか、どこで得点できたかがはっきりわかります。科目ごとに、そして問題ごとに、その得失点が分かるため、改善すべき箇所が誰でもわかります。そして教科毎の配点が事前に分かっています。
一方でスポーツでは、「勝った」「負けた」といった結果があるだけで、具体的にどの要素が良かったのか、どこが足りなかったのかを分析するのは簡単ではありません。
「エントリーが遅い」ことが何点失点になっているのか、
「エルゴが回らない」ことが何点の失点になっているのか、
「漕ぎが揃っている」ことがどれぐらいのポイントになっているのか、
誰も教えてくれず、「2000mのタイム」としてしか教えてくれません。
このため、勝利や敗北をもとに自分を冷静に見直し、
最もキーとなる部分はなにかを分析する必要があります。
これには大きな経験と、高い分析力が必要です。
ローイングと受験勉強の違い②限界の存在と成長の無限性
受験勉強は満点が100点もしくは100%であり、それが目標です。
100点に向けて、いかに失点しないか、正解し続けるかが全てです。
ですので、5教科のテストの場合、多くがどれだけ苦手分野を潰すかが重要になってきます。
しかしローイングにしろスポーツにしろ、そこには「満点」が存在しません。
例えばローイングでは、「持久力」と「パワー」が大きな得点項目になりますが、持久力は100点が満点ではなく、200点でも300点でも、何点でもあります。
パワーでも満点が100点ではなく、無限大です。
苦手を潰すのか、それとも長所を伸ばすのか、スポーツの世界ではそれは自由です。
サッカーではドリブルが得意な選手はドリブルを極めますし、
ローイングでもスパートが得意な人がいればコンスタントが得意な人がいます。どちらで勝負するかは、その人次第、チーム次第になります。
ローイングと受験勉強の大きな違い③:現状確認の難しさ
勉強の場合、模試や問題集を解けば、自分が今どんな位置にいるか、何ができて何ができないのかが、比較的明確にわかります。
ですが、ローイングの場合、2000mレースを手軽にすることはできず、それでは低レートのタイムを測ったところで、それは2000mレースのパフォーマンスと100%相関すると言えばそうではありません。
天気、風、流れ、クルーのコンディション、水温、など、沢山の変数の存在も、自分の現在位置を把握しにくくしている原因となっています。
レース自体も少ないため、「今どこにいるのか」が見失いやすい競技だと思います。
結論:受験勉強とスポーツに学ぶこと
受験勉強とスポーツにはそれぞれ独自の難しさと魅力がありますが、共通して言えるのは、「努力し、諦めずに続ける」ことの重要性です。これは根本的に重要な要素です。
そして、どちらにも失敗から学ぶチャンスがあり、成長するためには振り返りが欠かせません。
一方で、ローイングは、多くの要素が複雑に絡み合って、
「2000mのタイム」として表示されます。
どの要素が何点分なのか、何割なのか、
そして何点とれば今年は優勝できるのか、
そして今自分たちは何点とれるのか、
非常にわかりにくい競技です。
ですが、逆に言えばこれらを意識して、
つまりは「自分たちの現在位置」と「他団体の現在位置」を常に意識して、
今後の目標に向けてしっかりとしたアプローチを取れれば
必ずや目標に近づけます。
私にとって、最も勉強と違うのは、
「1教科で何点でも取って良い」というルールです。
ぜひ短所を潰すとともに、
そうした「自分の長所」を伸ばすといったスポーツ独自のルールを
楽しんでほしいなと思います。