古豪チームの復活が難しいわけ。


暗中模索、試行錯誤を続けながら、

必死に闇をかき分けかき分け、進んだ先に勝利がある。

そう思っている。


「これをやれば勝てる」

というのは存在しない。そういう信念はあっても、事実はない。

誰もが正しいと思う明確な答えにいかに近づくか、ではなく、

自分が正しいと思うことを強く信じて、強くやる。

それだけだ。


だから、一番勝つのが難しいのは、

昔は勝ってた団体だ。

勝ったことがあるチームほど、勝つことが難しい。

「こうすれば勝てた」

その記憶が、思い出が、次の勝利の大きな障害になる。

「思い出を伝える」コーチが、選手を強くできないのは、それが原因だ。

一番の敗因は勝利。



勝利は試行錯誤の中で生まれる。

勝利を続ける人は、勝利法を継続してきた人ではなく、

勝利したにも関わらず、また試行錯誤を続けた人間だ。


暗中模索は不安だ。

不安だからこそ、容易に答えを見つけたくなる。

試行錯誤を辞めて、誰かに教えて欲しくなる。


昔強かった団体が、次に勝つのが難しいのは、それが理由だ。

勝った歴史があり、勝ち方、教訓がそばにあり過ぎるからだ。

考えることは誰にとっても苦痛で、早く答えを知りたい。

だけど「こうすれば勝てる」という答えは、ない。

そのチームで昔勝った先輩も、試行錯誤の結果、勝てたのだから。

先輩は、その「答え」を教えるのではなく、

どうしたらその「答え」にたどり着いたかを伝えるべきだ。



新しい団体がいきなり頭角を表すのは、

勝ち方を知らないからこそ、カンニングできないからこそ、

新しいものを取り入れ、不安の中で

チームが結束し、突き進めるからだと思う。探究心が強い。


一度強かった団体がなかなか復活できないのは、

勝った時代の「古き良き」に縛られ、

不安の中の「新しき」を取り入れられないからだと思う。

新しきを取り入れることは若干過去を否定することになる。

昔の勝ち方では今は勝てないと、そういうメッセージになり、

伝統との衝突が生まれる。だからややこしい。

衝突を好む古豪チームが勝ち続ける。


勝つことは難しい。

勝ち続けることはもっと難しい。

自信という燃料をバンバン使って、暗闇の中を進む。

カンニングしたい欲求を捨て、

探求しよう。未知なる世界を。






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