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【大学院生】失業保険を受け取れるのか
佐藤大朗(ひろお)です。早稲田の大学院生(三国志の研究)です。20年弱続けた会社員生活を辞めて、アラフォーの無職、大学院生です。
ぼくは今年夏、大学院の博士課程1年生をやりながら失業しました(会社を辞めました)。
社会人から大学院生になった場合、「求職中の失業者」と認定され、失業保険を受け取ることができるのか??これ、気になりますよね。ルールを見てもよく分からない。ネットを見てもよく分からない。
結論は、「ハローワークが紹介する職業に就ける状態ならば、失業保険を受け取ることができる」です。これに基づいて、失業保険を受け取るべき求職者なのか否かが個別判断されます。
一昨日、はじめての支給日・支給額が決まって、銀行口座の振込待ちになったので、過去の記事よりも詳しく書きます。
博士課程と失業保険
いま博士課程1年生のぼくは、週1回、大学院に出席すればよい。退職前は「週4勤務の正社員」「博士課程の学生」を兼ねていた。実際にこの条件で働いていた。
(いちおうまた)働きたい(という気持ちもある)。
これを説明したら、「ハローワークが紹介する仕事ができる」状態と認められ、失業保険を受け取る資格ありと見なされました。
なんなら、ハローワークには、パート・アルバイトの求人情報もあります。週3か週2しか勤務できずとも、「紹介する仕事に就業できる」と言えてしまいそうだ。
心の置きどころ、説明のロジックとして、「会社員と博士課程を兼ねることがしんどくなったから辞めたんでしょ」と言われる可能性もありますが、「いやいや前の会社が博士課程と組み合わせが悪かっただけで、別の会社ならば、兼ねられるかも知れない」とも言い返し可能。
ああいえば孔融。
週1日は大学院に行きますが、他の平日4日は、ぜんぜん働きたいし、わいわい社会貢献したいし、ざくざく納税したいし、ばりばり意欲あります!!と言えば、つねにウソではないし、客観的にウソと判定できない。本当にそういう気持ちがないわけではないです。本当です信じて下さい🛸
ネット検索すると、「フルタイムの学生は失業保険を受け取れない」「夜間コースの学生ならば失業手当を受け取れる」という情報があります。平日昼間に職場に行けるか?という外形的な基準が目安のようだ。
※本当かウソか不明
しかしこれも本音ではよく分からない。
・フルタイムの学生でも、夜に働けるではないか?
・夜間コースの学生に、昼間に働く気力があるのか?
学業と仕事の両立は、めずらしくないでしょう。
フルタイムの昼間の学生をやりながら、夜にアルバイトをしている大学生はたくさんいるだろう。夜間コースの学校には、昼間は仕事があるひとが来ているでしょうが、昼間に働いて夜に授業を受けて、果たして仕事も学業も万全にできているのか?絶対にどちらかでエネルギー切れを起こして、ぼくならばザツになりそうだ。
フルタイムの学生に受給資格がなくて、夜間コースの学生に受給資格があるというのは、実態に合っていない気がするんですよね。
もはや、「ハローワークが紹介する求人」の雇用形態、曜日・時間がバラバラである以上、「ハローワークが紹介する求人で働けるか」は、かなり自己申告に接近する気がする。
企業や求職者、さらにはハローワークの職員の誰かが悪いというよりは、制度(ルール)と現実が合っていないので、窓口で個別対応になっている。水際をどうまたぐかです。
現代日本?のぼくたち?にとって重要なのは「ルールを守る」ことです。ルール自体に疑問があっても、ルールが妥当性を欠くような気がしても「ルールを守る」ことをつねにアッピールしていけば宜しいかと。
修士課程と失業保険
ぼくは、修士課程1年生のときは休職中で、修士課程2年生のときは、週4正社員と兼業でした。
「修士課程」×「失業者」の組み合わせで、失業保険を受給する資格があるのか、窓口で確かめたことがない。※自分が該当しないので
新たに社会人から大学院生になるひとは、「修士課程の大学院生は、失業保険の受給資格があるのか?」が気になると思います。
修士課程は博士課程に比べると、取得すべき単位の数(出席すべき授業の数)が多いです。失業保険を受け取る資格と干渉します。
ぼくが修士課程1年生のときは、火曜と木曜は終日授業に出ていた。裏を返せば、他の平日ならば週3日、土日を含めれば週5日は、就業可能でした。ご時世がら、教授の講義映像を見るだけで単位が取れる授業が増えました。あとは金曜の夜に語学がオンラインで1コマあっただけ。
そういうわけで、きちんと説明すれば、修士課程1年生でも「ハローワークが紹介する案件に就業可能」と伝えられそう。
修士課程1年生で単位を揃え、修士課程2年生は授業が週1回+修士論文だったので、平日週4日就業可能でした。
実際に修士課程2年生のとき、「週4勤務の正社員」と並行しており、修士論文も働きながら書きました。学業のほうに注力したので、仕事のほうはザツでしたが、ともあれ外形的には両立した。
修士課程1年生でも就業可能と言えるし、修士課程2年生ならもっと就業可能と言えそう。ハローワークに行ってみる価値があります。
「ろくに働くエネルギーが残らないじゃないか」「ろくに働く気がないじゃないか」というご批判もありましょうが、合い言葉は、「ルールを守る」でいきましょう!!外形的に基準を満たすことは可能です。
大学院生と求職活動
失業保険を受給するためには、1ヶ月に2回の求職活動をする必要があります。これも怪しくて、
「本当に求職活動をした」は証明できないから、
「外形的に求職活動をしたと思しきアリバイ」で判定します。
ぼくの場合、これをどう捉えているか。
人格の分裂です。
「本当は働く気がないのに、アリバイのためだけに、ナンチャッテ求職活動をしよう」とは思いません。より「世間で有利な大人」っぽいのは、就職する気がゼロなのに、失業手当のためだけにアリバイを作ることですけど、さすがにそれで良いとは思えない。
※そのような割り切りができたら、そもそも会社を辞めてなかった
自分の内面を覗き込んでみたら、10%ぐらいは「今働きたいぞ」という気持ちがある。90%ぐらいは「働くなんて、しばらくはたくさんだ」と思っています。その10%ぐらいの自己の部分を使って、求職活動をします。
だから、ぼくの求職活動はウソではない。
ぼくの1ヶ月に2回以上の求職活動の履歴は、人格を意図的に分裂させたときの少数派の価値観の表れです。
「ルールを守る」
絶対にウソにならない範囲で、ハローワークの窓口で、お金がもらえる判定条件に適合するように、自分の実態を切り取って伝えると、大学院生であっても求職中の無業者として認定されるかも知れません。「ルールを守る」を維持しつつ、失業保険を受けられ得ます。
すべてのルールには、制定時、そのルールに込められた「心」があったはずです。最初から国家や社会を悪くしてやろう、というルールが設けられることは少ないでしょう。
しかし、時代の変化などで制度疲労を起こしているが、制度を見直すプロセスがなかったり、制度を変更するのに膨大な手間・コストがかかるときに、おかしな状態が生まれます。トンネルの天井からコンクリート片が落ちてくるような社会になっている気がします。
「ルールをハックする」みたいな下品なこと、特殊な裏技を使うのではなく、「ルールを守る」を前面に押し出していきながら、直感的にはおかしな結果に至ることができます。その歪みが自分にとって有利な場合、「ルールを守る」を連呼しながら、ルールを守って、ルールを守ることで、ルールを守ればいいと思います。
本気で「これでいいのだ。ルールを守っているから善なのだ」「15年以上、雇用保険を払ってきたから受け取るのは当然だ」「私は私なりにがんばってきたんだから、何も後ろめたくないでしょ!」「しめしめトクしたぞ」と思ってたら、こんなnoteの記事に書くことはないと思いますが、、だからぼくは社会に馴染めないんですよね。開き直れたら別の仕事やってます。
何ヶ月にもわたって全身全霊で仕事を探し回り、書類選考や面接に連戦連敗しているひとの生活費を支える、というお金なんですよね、本来はこれ。