怪しい言葉「マネタイズ」、趣味・学問のマネタイズ
こんにちは。佐藤大朗(ひろお)です。
会社を休んで、三国志の勉強をしています。
今日は、趣味・学問のマネタイズについてお話しします。
マネタイズという言葉は、お金の「マネー」にまつわる動詞です。
ぼくの体感では、ビジネス書でこの言葉をよく見るようになってから、まだ、数年も経っていないのでは。 #新語 #現代用語
マネタイズは、日本語にしたら、「お金にする」ですかね。こなれていないので、カタカナで言うしかないんです。
マネタイズは、どうやら「現金化する」より、もうちょっと広い概念だと思います。売上高を立てる、利益を得る、あたりの仲間か。
「マネタイズ」という言葉を、わざわざ口に出すのは、時代や風潮が変化しているからだと思います。 #三国志研究所名古屋支部調べ
たとえば、会社や商店が行っているビジネスは、最初から、売上高・利益を得ることを目的としています。言うまでもなく、「お金にする」ことが当然なので、いちいち「マネタイズしよう」とか、意識し、口に出す必要がないんですよね。
たとえば、
漁師が、海で魚を捕ることを、「ウオライズ」と言うと定義しても、そもそも、漁師なんだから、ふつうに魚を捕っています。わざと、別の言葉を作る必要がないんです。漁師さんに、「ウオライズについてどう考えていますか」という、問いを向けることが無意味です。
他方で、趣味・学問の活動は、多くの場合、売上高・利益を得ることを目的としていない。そして、売上高・利益が(現実問題として、ほぼ)得られない。だから、わざわざ、「マネタイズが」と、意識するチャンスもなければ、必要性もない。
たとえば、
野菜農家が、畑で魚を捕ることを、「ウオライズ」と定義しても、そもそも、畑で魚は捕れません。捕ろうとも思いません。思ったところで、空振りに終わるので、思うだけムダです。
たまたま、空から魚が降り(そういうことは、あるらしい)、野菜農家が畑で拾ったとしても、「ウオライズ」という概念を作るには至りません。おかしなこともあるもんだ、気持ちわるいなー、で終わりです。
#ファフロスキーズ
新しい言葉には、使われる理由があります。
わざわざ「ウオライズ」と言うのは、これまで魚を捕るわけがなかった人たちが、初めて、魚の収穫量を意識するとき、はじめて必要になる。
前提がくつがえり、時代が変わるとき、新しい言葉は、出てくるんです。
同じように、「マネタイズ」は、
これまでは売上高・利益という概念、「お金にすること」とは無縁であった活動から、いかにして売上高・利益を得るか…という、ひねられた問いを立てるとき、はじめて必要になります。
矛盾したものがシャッフルされる。前提が、前提でなくなる。特殊な局面において、はじめて新語が使われる理由が生じます。
これまでは、売上高・利益など、望むべくもなかった活動、すなわち、趣味・学問の領域において、あえて、売上高・利益を追求してみる。
そういう、「野菜農家が、漁獲量をねらう」みたいな活動が、趣味・学問のマネタイズだと思います。
具体的な方法、その経験は、おいおい書いていきます。
今日は、「マネタイズ」という言葉のご紹介までに。新しい挑戦は、すんなりいかないので、ていねいにやりたいのです。