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魔の90%
入院してからの私の酸素飽和度はずっと91%だった
夜は息苦しく少しでも肺に空気を入れようとうつ伏せで寝たりした。
たまに90%に落ちると夜中でも防護服を着た看護師が
「Hiroroさん大丈夫ですか〜?」
と、小声で名前を呼んできて私は起こされた。
「やっと寝られたと思ったのになんで起こすのだろう」と、私は訝しく思った。
入院5日目にしてようやく94%〜95%ぐらいまで上がった。
「これなら後一週間ぐらいで退院できますね」
と主治医が笑顔で言った。
実は退院時に主治医に言われたのだが、
「Hiroroさんは運が良かった。誠に言いにくいんですが、酸素飽和度90%を下回ると、どんな治療をしても効かずにそのまま戻ってこない患者さんばかりなんです。」
「そのまま戻ってこない・・・?」
一瞬固まってしまったが、詳しくは聞かなかった。
あれから3年が経つがいまだに”息苦しさ”はある。
それがトラウマからくるものなのか、あの日CTに真っ白く映った左の肺がまだ治っていないからなのかは分からない。
スマートウォッチでも24時間酸素飽和度を計測してもらっているが97%前後が平均値だ。
これも今はもう気にしなくなった。
今はただ未来を信じて、明日が必ずくると信じて、コロナ後遺症患者向けの「呼吸リハビリ」を毎日実践している。
今この文章も海辺の公園で深呼吸しながら書いている。
セラピーの手法で「リフレーミング」というものがある。
これは絵画で言えば額縁(フレーム)を変えましょう。
ここでいう絵画とは「悩ましい状況」のことで、額縁は「それの捉え方」だ。
詳しくはセラピストである西尾先生の書籍を読んでみてください。
ポジティブシンキングと近いものだが、要は「捉え方を変えてみる」ということだ。
私は民間の心理カウンセラーとして15年以上セッションを重ねる中で、物事は捉え方次第でどうにでもなるということをクライアントから学んだ。
では私がこの「息苦しさ(失った肺活量)」をどうリフレーミングしたか。
これから地球は環境破壊により今よりも酸素濃度が10%以上少なくなる時がくる。その時生き延びるために私は今、呼吸リハビリで肺活量を上げるサバイバル訓練を実践している!いち早く準備できてラッキー!
あるいは、
いつかペルーに旅行に行く時、私だけ高山病にならない。それはなぜか。実は人知れず「呼吸リハビリ」で訓練をしていたのだった!さすが俺ラッキー!
とかかな。
要は過去に失ったものにフォーカスするのではなく、そこから学んで得られたことに注目することだ。
こうすることで過去は”変えられる”。
そして、そうすることで間違いなく”変わらなかった未来”も変えていくことができる。
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