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自分で見えない、練習の大事なポイント

 ちっちゃなことだけれど思ったより大事なことで、そして気づきにくいことです。20年以上たくさんの人を教えてきましたが、8割の人が言われるまで気づかず、気づいてもついつい戻ってしまいます。

 (トレーニングではなくて「練習」と書いているのは、筋力アップとかではなくて動作を繰り返して身につけることを指しています。)

 動作の練習をするときに自分では見えないことがあります。
 それは・・・
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 自分の目の向き 👀

 自分の目は外からは見られないんですよね。
 あ、映像を撮ったりしたら見えます。それでもリアルタイムでは見られないですよね。

 で、この目の向き=「どこを見ているか」がとても大事、というか本来見て欲しいところではないところを見ていて、それによって動作が崩れがちになるのです。

人は、見ている方へ進む

 歩いているとき、人は普通進む方向を見ています。(歩きスマホは別)。と言っても下を向いてたら地面にめり込んでいくわけはありませんが。
 曲がるときはこれから曲がっていく方向を見ますよね。

 インラインスケートの初心者教室で教えるときは腕を前へ突き出してもらい、曲がる方向へ腕を回していきます。これには3つの意味があります。

 ① 腕の先の手指に意識が行くので、腕と一緒に視線も曲がる方向を見る。
  (視線の代わりになる。)
 ② 腕の先の手指に意識が行くので視線が下へ落ちない
 ③ 腕の重さで重心が身体より前に行くので、より安全な前方への転倒になり転んだときにも手があるので衝撃を受け止めやすい。

視線と一緒に頭部も動く

 教室ではほとんどの参加者は地面から視線が離れません。
 その気持ちはとてもよくわかります。慣れない動作ですし、足元は不安定です。いつ転んでもおかしくないので自ずと視線は下へ下がっていきます。また自分がどのような動作をしているか目で確認したい気持ちもあります。

 実は初心者のうちはそれでも良いのです。というのは、後方へ転んで後頭部を打つのがインラインスケートで一番嫌な転倒なので、前方下方へ転ぶ分には最大の悲劇を避けられるからです。

 ところが初級から中級になろうというときにはこれが少々厄介者になってきます。

頭部は体重の10%

 特に意識しない限り視線は頭の方向を決めていきますので、右を向けば頭も右へ、下を向けば下へ向いていきます。頭部の重さは体重の10%ほどですので50kgの人であれば5kgくらい、ボウリングの球みたいなものです。この重さが移動すると、繊細な動作練習には大きく影響します。

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 試みに、裸足でまっすぐ立ったまま前を向いている状態から、視線を足元に移動して下を向いてみる(頭を下げる)とどうでしょう?足の裏の感覚で重心が移動するのがわかるでしょうか。頭が前方へ動くだけで重心の位置は大きくずれてきます

頭の位置(視線の方向)は実際のプレイ中も大事

 「姿勢が安定しない」「動作がブレる」といったとき、視線がどこを向いているか自分自身を振り返って確認してみてください。動作練習中はもちろんですし、プレイ中も同じです。インラインスケートで言えば「進行方向から視線を逸らさない」のが一番大事になってきます。しっかり前を向くことで頭が下がらず、重心の位置もずれないので余計な筋力を使わずに済みます。

 しかしながら視線というのはよっぽど意識しつづけないと安定しないものでもあります。最初のうちはとにかく「今どこを見ているか」を自問し続けて癖にしてしまうのが確実な上達の道です。


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Hiroqui Totori
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