受験国語 古文3 かいもち
✅古文の出題形式。
中学受験 古文・訳文・対話形式などの文などの形で問題が出る。
高校受験 古文のみ・本文の内容について問題が出る。
✅頻出問題
1歴史的かなづかいを現代かなづかいに直す
2主語が分かるか(省略が多い)文末の敬語で読みとる
3「 」をつける。話し言葉はどこか。「といふ」「とのたまふ」の前
4心情(きもち)を読みとる
中学受験の場合、古文に現代訳がついている。それを見ながら解く。
✅問題文を先に読もう
問1 歴史的かなづかいを現代仮名遣いに直しましょう。
問2 「 」がぬけている部分をさがし、最初の3文字、最後の3文字を答えなさい。
問3 むごののちに「ゑい」といらへた兒の気持ちを、自分の言葉で答えなさい。3文字以内。
✅本文「兒(ちご)のかいもちするに空寝したること」
是も今は昔、ひえ(比叡)の山に兒(ちご)ありけり。僧たちよひ(い)のつれづれに、「いざ、かいもちいせん」といひ(い)けるを、ま(待)ちてね(寝)ざらんもわろ(悪)かりなんと思て、かたかたによ(寄)りて、ね(寝)たるよしにて、いで(出)く(来)るをま(待)ちけるに、僧の、もの申さぶらは(わ)ん、おどろかせ給へ(え)とい(言)ふ(う)を、いま一こゑ(え)よばれていらへ(え)んと、念じていたるに、「や、なおこし奉りそ、おさなき人は寝入り給にけり」といふ(う)こゑ(う)のしければ、あな、わびしと思ひ(い)て、だだくひ(い)にくふ(う)をとのしければ、ただすべなくて、むごののちに、「ゑ(え)い」といらへ(え)たりければ、僧達わらふ(う)事かぎりなし。
宇治拾遺物語より(省略部分あり)
※兒(ちご)→稚児の事。乳飲み子の略。ここではお寺に仕える子供のこと。
※かいもち→かきもちの「き」がイ音便になった物。ここでは「おはぎ」または「そばがき」というそば粉を練(ね)った物。
※よひ→宵(よい)=夕方~夜のこと。金星が朝夕に見えることを「明けの明星」「宵の明星」と言います。理科で習いますね。
※つれづれに→ひまな時に
※かいもちい→強調の「い」または、飯(めし・イ)の意味。
※かたかたに寄りて→部屋の片隅に寄って
※ねたるよしにて→寝た様子で
※いらへん→返事しよう
※や、なおこしたて奉りそ→いや、起こしてさしあげるな(な~そ=否定)
※あな、わびし→あら、つらい(せつない)
※ただくひにくふをと→ただ食いに食う音(ただひたすらに食べに食べる音)
※むごののちに→無期・際限なく後に(長いこと経った後に)
※「ゑい」といらへたり→「はい!」と返事をした
問1 本文中参照
問2 もの申・たまへ
「 」は、といふを素早く探すのがポイント。ここでは、「もの申さぶらはん、おどろかせたまへ」といふですね。この前に僧の(主語を作る「の」)ですから、僧が言ったのです。
問3 あせり→気持ちを自分の言葉で書きなさいとあります。早く返事をしないと「かいもち」がなくなって、食べられなくなるという「あせり」ですね。文字数によっては「いてもたってもいられない」気持ちでもいいですね。