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受験国語「和歌」明治より前

1 中学・高校受験では「枕詞(まくらことば)」がよく出題される。
2 旧仮名遣いを現代仮名遣いに直せるか。
3 歌の意味が分かるか。選択問題あるいは、後ろに書いてある評論文を見ながら解く。


一、あしびきの 山どりの尾のしだり尾の ながながしき夜を ひとりかも寝む
                               柿本人麻呂
枕詞
(まくらことば)→あしびきの(山にかかる)
→疑問
も→強調
<訳>(すそ野が足を引いたような)山鳥の尾がたれているように長い夜を、ひとりで寝ることになるのだろうか。
恋愛の歌です。奈良平安の頃は、照明がなかったので、夜が長く感じられました。作者名も覚えておくと得です。  

二 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山
                               持統天皇
けらし→
ける(来る)らし 
枕詞→白妙の
(衣にかかる)
干すてふ→ほすちょう(読み)干すと言う(意味)
<訳>
春が過ぎて、夏が来たらしい。白く妙なる衣を干しているという、天の香具山。

持統天皇は、大化の改新を起こした天智天皇の娘です。姉妹で、叔父の天武天皇の所へ嫁ぎました。しかし甥が謀反を起こし殺さざるをえなかったり、天武天皇も息子も病気で死んでしまいました。孫が成長して天皇になるまでに天皇として立ちました。本当に苦労をして、都を開き、このお歌を晴れ晴れとした気持ちで歌われたのではないでしょうか。

三 ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく 花の散るらむ
                              紀友則
枕詞→ひさかたの
(久しい方向/遠い方向にある太陽の光にかかる
しづ心なく→静かな心もなく(あわただしく/落ち着きなく)
らむ→推量(~~のだろうか)
<訳>
光のどかな春の日に、あわただしく(桜の花が)散るのだろうか。
春と言えば桜。桜の花が散るのを見て、仏教の無常感(常に同じ状態の物はなく、いずれなくなってしまうこと)を感じ、それゆえに今生きていることの美しさや味わい深さを、しみじみと感じたのです。
🧡YouTubeを見ると分かりやすいです 




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