続 介護現場をかき乱すバカナースについて
先日、昼食時に、ある看護師が介護に対して、なぜある利用者さんだけ食事を遅く提供しているのか? 食事は冷蔵庫に保管しないのか? ちゃんと温めて提供しているのか? などと難癖をつけては詰め寄ってくるような事態があった。
私がいるユニットでは、一人の利用者だけあえて食事を遅く出すことにしていた。それは、食事を食べ散らかしてぐちゃぐちゃにしたり、車椅子を自走して転倒転落の危険があるからで、常に見守りが必要だから、他の利用者の状況が落ち着くまで後回しにしているからである。
こうしたことに対して、たまたま通りすがりの看護師が、冒頭であげたようなクレームをつけてきたのだが、なんか釈然としないし腹が立つので記事に載せることにした。
この一件については、少なくても2つの大きな問題があるので、順に見ていきたい。
まず、一つ目。利用者に食事をどう提供するのか、生活援助という介護の専門性に関わるところで、なぜ部外者である医務室の看護師が口を挟んでくるのか?? という疑問。
たとえば、介護士が医務室の看護師に対して仕事のことで文句をつけるなんてことはありえないわけで。同様のことが、なぜ看護師にはできないのか? という疑問である。
2つ目として、その看護師は「食品の衛生上の理由」を挙げて保管の仕方についてあげつらっていた。
もし、食事を常温でそのまま置いておくことが細菌の繁殖につながると考えているのであれば、どの細菌がどれだけの時間にどれだけ増殖するのか? そしてそれは利用者にどのような疾病や症状を引き起こし、どんなリスクが予想されるのか?
そういったことについて、科学的根拠をはっきりと明示した上で説明してみな?? とわたしは思うわけである。看護の教育では、エビデンス=科学的根拠が重視されている。そういったものを説明できないし、そもそもないのであれば、自分かってな妄想(ヒステリー)を介護現場に押し付けてるだけなんだけど、当の看護師はそれについてどう考えているのだろうか??
以上の2点の疑問を、腹立たしさとともに感じている。
おそらくその看護師は、その利用者のことをひいきにしていて、食事を遅く出していることがその利用者をのけ者にしている、と感じていたのかもしれない。
しかしそれ以上に、看護師の頭の中には「頭のどこかに介護を見下しているようなところがあって」そのためにこうした言語道断な態度を介護士に対してとったのではないだろうか。ちなみに、わたしも看護師免許なら持っているが、介護職として働いている。
一番腹立たしくストレスに感じているのは、介護の仕事そのものよりも、こうした介護以外の他職種が、自分は現場に身をおいてるわけでもないのに、外から口を挟んできたり仕事をいろいろと押し付けているように感じるところだ。
介護現場において、利用者に薬を飲ませるのは介護士の役割になっている。これも本当ならおかしな話で、健康管理は医務室の管轄なのだから、医務の看護師がユニットまで来て利用者に薬を飲ませるのが当然である。それを、看護師に代わって介護士がやってやってるわけである。それでは看護師は何をしているのか? きちんと飲ませたのか、空袋を確認して持ち帰って終わり(笑)
ユニット型の特養においては、このようになんでもかんでも介護に仕事を押し付けられやすいと感じている。施設によっては、看護師がメインで与薬をやってるところもあるのに、ユニットケアの現場ではそうなっていない。
このように現場の介護職に多くのことを依存していて、介護職がいなければ利用者へのケアなんか一ミリもあり得ない、これは事実である。にもかかわらず、他の多くの職種には現場の介護職への敬意は微塵すらなく、むしろ蔑ろにしすぎなんじゃないかな?
今回の一件については、施設で働くすべての看護師に反省をしてもらいたいと切に思っている。もしかしたら、自分もそういう態度で介護に接していたのではないか、そのように自問自答してもらいたいものである。
そして態度を根本的に改めてもらいたいし、そのためにはどうすればいいのか? 一人ひとりが少しは頭を働かせて考えてもらいたいと思っている。