介護職、ついにぎっくり腰をやってしまった件。

介護職として、通算6年ほど働いてきて、それとは別に病院などの看護師(こちらも腰痛リスク高い)を2年半ほどやってきた。先日、とうとうぎっくり腰になってしまった。医学上は、“急性腰痛症”といわれているやつである。
 低床ベッドの入居者の更衣をやろうとしたところ、腰に強い痛みと違和感を感じたのだ。それまでにも、ちょっと腰を痛めたかなと感じることがあったが、今回は明らかに違うことがわかった。

仕事がら、腰痛リスクの高いことは重々承知しており、過去には腰を痛めて休職したり、仕事を辞めたりした職員も見てきた。
 自分自身はその対策として、以前に「プリズナートレーニング」という本を読み、そこで腰痛予防に効果的といわれる“ブリッジ”運動を仕事終わりに毎日行っていた。にもかかわらず、今回腰を痛めてしまったのだ。また、仕事前に腰を回したり、準備運動をするとかもとくにしていなかった
 いまの施設に入職した際に、“腰椎ベルト”を支給されていたのだが、これは自分には必要ないと思って使っていなかった。しかし、今回痛めたことを契機に、使ってみることにした。たしかに腰部を圧迫されるけど、負担の軽減にはなりそうだ。

すでに述べたように、介護職は仕事全体にわたって“かがむ”姿勢がどうしても多いため、腰痛リスクが大きい職業である。
 とくに低床ベッド、最低床ベッドでは腰の負担はさらに増すため、本来であれば介助しやすいようにベッドの高さを上げる必要があった。しかし、介護職は一人の介助に入りながら、同時に他の入居者の見守りもしなければならないため、ベッドの上げ下げの時間さえ惜しい、と思うこともしょっちゅうである。そのために、十分に高さを調節しないで介助に入ることもあり、これが腰の負担をさらに増すことになる。
 これは、平たくいえばそれだけ「職場環境がわるい」ということになるだろう。

なってしまったものはしょうがない、対処していくしかない。さいわい、動けないほどではない。ただ、ふだんの日常生活においても、べつに腰を曲げていなくても、ふつうに過ごしているだけで腰に違和感をおぼえるのだ。日常の動作において、無意識に腰をかばっているのが自分でわかる。ADL上は大きな変わりはないかもしれない、しかしQOLは低下してしまった感じである。
 当面の対策として、
●仕事中は、常時腰椎ベルトを装着する。
●腰背部の柔軟性と筋力強化のため、ブリッジ運動は続ける。一方、背中をそらすだけでなく、腰背部を丸める運動も取り入れてみる。
●出勤前に、準備運動をかならず行う。
●腰部を温めるため、しばらく毎日入浴する。

とりあえず、1〜2週間ほど様子をみて、それで改善すればいいのだが。もし悪化するようなら、整形を受診することも考える必要があるが、医者になにができるのだろうか? 手術が必要とは思えないので、保存的治療とせいぜい痛み止めを出すくらいだろう。
 いちばんの問題は、介護の仕事そのものにある。これを続けるかぎりは、どうしても腰部に負担がいく。ここにきて、「介護の仕事に全賭けするような人生は危ない」とあらためて感じました。腰痛にしても不眠症にしても、なんらかの理由で働けなくなる危険がつねにあるわけだから。
 その場合、一体ほかにどんな仕事ができるのか、という問題はあるでしょう。仕事としてケアの仕事をつづけていきたいけれども、きっちり自分の体を守ることを考える必要があります。