仙台89ers:2022-23シーズン 第98回天皇杯バスケ3次ラウンド一回戦(10/29 Central Game vs 名古屋D at ウインドヒルくしろスーパーアリーナ)雑感(バスケットLive観戦)
天皇杯3次ラウンド(一回戦)のプレビューはこちら。
◯試合前トピック
・小林、A東京戦で脳震盪のため一時離脱
Game前にクラブの公式ツイッターで以下のアナウンス。
・・・確かに10/26のA東京戦でディフェンス時に外国籍選手に当たり負けて吹っ飛ばされた時にバスケットLiveの画面越しにもすごい音をたてて後頭部をしこたまコートに打ちつけていたのがわかりましたのでさもありなん・・・というところ。にしてはあの時にジャッジがそのまま流したのはいかがなものか・・・?
脳震盪をおこしますと、上記にあります通りBリーグの所定のプロトコルに基づき段階的に回復を目指していくことになりますが、幸か不幸か天皇杯を含めてリーグ戦は3週ほどのバイウィークになりますから、ゆっくりしっかり静養してくださいね。
◯Game(10/29 19:00 TO)仙台77名古屋D98
スターターはこちら。
小寺、トーマス、ブースといきなりオン3のスターターはちょっと面白いセレクト。リーグ戦ではうまく機能していい形をつくれていましたが、今Gameではどうなりましょうか。
1Qは奇襲気味のスターターでまずまずの立ち上がりを見せるも、3本連続でスティールを奪われたあたりからリズムが一気に崩れてしまいます。相変わらずシュート精度があまりよくないのはいつものことなのですが、そこのリバウンドからの名古屋Dの速いトランジションに仙台自慢のディフェンスが機能しないうえに、わずかな間合いでも正確にリングを射抜く、仙台とは段違いの名古屋Dのシュート精度の前にみるみるリードが拡がっていきます。たまらず仙台ベンチは1Qだけで前半のタイムアウトを使い果たしてしまう由々しき事態。2回目のTO後に片岡が3Pを決めるなどで反撃を試みますが状況は好転せず、16-27と大きくリードされて終了。オフェンス力が高い名古屋D相手とはいえ、ディフェンスが機能していないのはつらい展開。
2Qに入るとブースの連続3Pで反撃のムードか、と思うものの、やはりこのGameはディフェンス面で名古屋Dのパス回しと正確なシュートに対して後手に回り仙台の持ち味がすっかり消されてしまい、ディフェンスの落ち着かなさがオフェンス精度をさらに悪くしてしまう悪循環に陥ってしまっています。またもう一つ、少し前からの傾向なのですが、やはり日本人選手がB1の強度の前になかなかシュートまで持ち込めない展開が厳しい。前半は片岡と寺澤で5点しか取れていません・・・。一方の名古屋Dはエースのクラークはともかく、齋藤や張本などがコンスタントに得点してくるあたりにはやはり強みがあります。
前半は36-51と大きくリードをされて終了もさることながら、51失点は今季最多、3桁失点のピンチ。特にオフェンスの組み立てで代表候補を多くそろえる名古屋Dと仙台の日本人選手の質の差を見せつけられる形が如実に差になって表れている感があります。また、試合前トピックでも触れているようにPG小林が出場不能という中で、PGを渡辺のほか岡田も務めるシーンが多いのですが、岡田はやはり本職ではないところからか、対峙する齋藤に対してどうしても攻守で後手を踏んでしまっているのは致し方なしでしょうか。
3Qに入っても状況は変わらず、名古屋Dの速いトランジションにはディフェンスが後手を踏むばかり。岡田の3Pもようやく決まったり、トーマスが気を吐きゴールをねじ込むなど反撃を試みますが、全体的な精度はやはり上がらず、点差がなかなか縮められません。パスが名古屋Dのディフェンスの手に引っ掛けられるシーンが目立ったり、被スティールなど細かいミスを繰り返すと差はじわじわ拡がり54-74と20点差とされて3Qは終了。
4Qに入ってももはや流れは変わらず、OTOまでの間に最大26点差まで拡げられて勝負の行方の大勢は決まってしまいました。しかしその後少し開き直ったところがあるのか、日本人選手たちの3Pなども決まりだしますが、スローインミスやイージーなパスミスは最後まで修正できず。3桁失点こそギリギリ阻止しましたが「ホコタテ対決」もその鋭利なホコで強度が足りなかったタテが貫かれてしまい77-98と点差以上に質の部分での完敗となりました。
気になった選手:渡辺、岡田、寺澤
小林不在の中でハンドラーを務めることになった渡辺と岡田ですが、日本代表候補のハンドラー齋藤との対峙はほろ苦いものとなったでしょうか。Gameメイクするだけでなく、その優れたスキルをもって得点も奪い取っていける齋藤のプレイは大いに今後の参考にしてほしい。寺澤は前半少し消極的な面を見せてしまったところはありますが、果敢にリムアタックする姿も見られて今後に期待が持てます。名古屋Dの日本代表候補の張本が見せた隙あらば3Pを狙うし自ら切り込んでもいけるプレイは、寺澤にとってはとても優れたお手本になったと思います。この若手3人はGameを経るごとに少しずつB1にアジャストしてきているのは頼もしいのですがまだまだ足りないのもまた現実。さらに研鑽を重ねてステップアップしてくれればその時は仙台がもっと強くなっているに違いありません。
◯最後に
リーグ戦第5節のA東京戦に引き続き、仙台の現在の立ち位置を突き付けられたGameとなったでしょうか。名古屋Dも決してオフェンス特化のチームではなく、ディフェンスもさぼらず前からあたっていくことで優位性を得ていく、オフェンスディフェンスともに非常に洗練されたチームでした。日本代表候補選手を多く抱えるという意味では仙台とは個の質の差というのはどうしてもあるものとは思っていましたが、その質の高い個が高いケミストリーでもってしっかりチームとして戦えている名古屋Dは本当に素晴らしかったと思います。
天皇杯は3次ラウンド一回戦で敗退という結果になってしまいましたが、バイウィーク明けのリーグ戦に向けて仙台の選手全員にとってはいいレッスンになったことでしょう。これまでB1各クラブに通用していたディフェンスも、ひとたび強度を緩めてしまうと大量失点に結びついてしまうのはよくわかったのではないでしょうか。
ここまでリーグ戦と今GameでB1相手に10Gameをこなしたわけですが、藤田HCもこのまま黙って手をこまねいているタマではないはずですから何か手は打ってくることでしょう。しかし、やはりなんといっても特に日本人選手たちが少しでも個の質を上げていかないとチーム全体の質も上がっていかないのでそれぞれが突きつけられている課題を克服していってほしいものです。
次戦は3週間後の11/19、20に鳥取県は米子で島根と対決。こちらも非常に質の高い個をもつクラブですが、バイウィークの間に少しでも課題を埋めて勝利への道筋を見出してほしいですね。この島根戦はワタクシも現地に赴きダイキエンをして参る予定です!
それではまた。
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