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何のために学び続けるのか

今日のおすすめの一冊は、瀧靖之氏の『「脳を本気」にさせる究極の勉強法』(文響社)です。その中から、「大人こそ勉強を大切にしてほしい」というテーマで書いてみました。

我々は何のために学び続けなければいけないのか、それについて京セラの創業者、稲盛和夫氏はこう語っています。

『その根本的な問いかけに、私は真正面から、それは「心を高める」こと、「魂を磨く」ことにあると答えたいと思います。欲に迷い、惑うのが、人間という生き物の性(さが)です。放っておけば、私たちは際限なく財産や地位、名誉を欲しがり、快楽に溺れかねない存在です。

しかし、そういうものはいくらたくさん溜(た)め込んだとしても、どれ一つとしてあの世へ持ち越すことはできません。この世のことは、この世限りでいったん清算しなくてはならないのです。そのような中で、たった一つだけ滅びないものがあるとすれば、それは、「魂」というものなのではないでしょうか。

死を迎えるときには、現世でつくりあげた地位も名誉も財産もすべて脱ぎ捨て、「魂」だけ携えて、新しい旅立ちをしなくてはなりません。だから、「この世へ何をしにきたのか」と問われたら、私は、「生まれたときより、少しでもましな人間になる、すなわち、わずかなりとも美しく崇高な魂を持って死んでいくためだ」と答えます。』

結局、我々が学び続ける目的は、生まれてからあの世に帰るまで、自分を磨き続けることなんですね。輪廻的にいえば、生まれ変わるたびに、少しずつでも霊格を高めることです。人格を磨き、徳のある人になることです。そして、そのことが結果的に、「老化を防ぐ」とか「いつまでも若くいる」ということなんですね。

それから、大事なことは晩節を汚(けが)さないことじゃないかな、とも思います。せっかく築き上げてきた評判や名声などを、一瞬にして落してしまわないこと。徒然草にある「高名(こうみょう)の木登(きのぼ)り」のごとく、最後の一段、最後の一歩に油断が出てしまいます。

まあ、これは晩年だけでなく、どの年齢でも言えることですが…。昨今のニュースを見ていて、そんなことを感じました。


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