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スタッフは多国籍

今日のおすすめの一冊は、渡邉貴義(たかよし)氏の『自己流は武器だ。』(ポプラ新書)です。その中から「世界一有名な北九州の寿司屋」という題でブログを書きました。

本書の中に「スタッフは多国籍」という話がありました。

2年前に、父親から照寿司をすべて引き継いで、僕が正式に代表取締役になりました。 従業員は、今はアメリカ人が1人、中国人が1人、オーストラリアの寿司屋 に5年いて帰ってきた日本人の寿司職人と、全部で料理職人は3人です。さら にフレンチ出身で研修中が1人、見習いが 2人、それにパートやアルバイトもいます。
料理職人には元フレンチのシェフもいるので、この状態を僕は「ダイバースシィー」って言っているんです。 ダイバーシティ、つまり従業員に多様性があるんです。 特にアメリカ人のヘンリーは、台湾系アメリカ人なのですが、5か国語を話すこともでき、頭脳明晰。2019年からのニューヨーク行きのときにスタッフを募集して知り合ったのですが、今や僕の右腕としてなくてはならない存在です。
こうなる前は地元の高校を卒業して、ただ寿司屋になりたいって子を雇うことが多かったのですが、今はそういう風に来られても、僕のマインドってもはやそこにはないんです。お客様も世界中から来てくれていますし、このコロナ禍がなかったら、2020年はサウジアラビアやトルコに期間限定で出店したり、さらには世界のNOBUさんとスペインでのコラボイベントなども行う予定でした。
もう見ているもの、見えているものが違うので、そういう彼らとはやはり合わなくて。 今のスタッフが定着するまでは本当に苦労しました。今、国では働き方改革を進めています。それはそれで大事なことだとは思いますが、僕個人の意見としては、何かを成し遂げるためには、そういうものにとらわれずに、もっと情熱を持って仕事に取り組んでほしい。
やっぱり精神論的なものを優先して頑張ることって大事だと思うのです。 もっとうまくなりたかったら努力すればいい、誰かに与えられるのを待っているのではなくて、つかみ取りに行けばいい。僕はそう考える人間なんです。 もちろん僕もそうやってきました。

トップの見えている世界が違うと、働く人も違ってくる。何年か修行して、のんびりと地元で寿司店でも開こうかと思って入社してくる人と、世界で活躍するために入って来る人とは、見る世界が違います。これは飲食店に限らず、どの会社でも同じです。残念ながら、ガツガツしている人は日本には少なくなってしまいました。

だからこそ、少しガツガツするだけで、今の日本では一頭地抜きんでることができるのです。無難ではなく、ある種の狂気を持ち、突き抜ける覚悟も必要ですね。

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