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自分の株があがる雑談

本日のおすすめの一冊は、内藤誼人(よしひと)氏の『雑談の達人』(大和書房)です。その中から「雑談はポジティブに」という題でブログを書きました。

本書の中に「自分の株があがる雑談」という興味深い一文がありました。

雑談力を磨くことには、とても大きなメリットがある。それは、「自分の株」があがるということだ。 

私たちは、雑談を通じて、さりげなく相手を評価している。 「この人は、どんな人なのかな?」 「この人は、頭がいいのかな? それともおバカさんなのかな?」 「この人は、自分より上の人間なのかな? それとも下の人間なのかな?」 という、いわば“値踏み”をしているわけだ。 

したがって、どんな雑談をするかによって、自分の株を高めることもできるというわけである。雑談という言葉には、「雑」という言葉が使われているが、雑にやろうとせず、戦略的にやろうとすれば、自己評価を高めることに役立つ。雑談は、そういう道具になるのである。 

口を開ければ、テレビのバラエティ番組のことばかりを話題にする人がいるとしよう。 そういう人は、おそらくだれからも軽く扱われることになる。なぜなら、話題が軽すぎるからだ。 

その点、BBCのドキュメンタリー番組などを好んで見ていて、それを話題に出すと、どうなるか。おそらく相手は、「へえ、そうなんだ」と読者のみなさんを見直すと思われる。 別にバラエティ番組のすべてが悪いといっているのではないのだが、バラエティ番組には、軽薄そうなイメージが漂っていて、そういうイメージが自分にも波及してしまうのだ。 

ただし、もともと学者であるとか、何かの専門家のような人は、「バラエティ番組が好きだ」ということを公言するようにすると、エリート臭さを隠すことができ、親しみやすいと思ってもらえるかもしれない。この辺は、ケース・バイ・ケースであろう。

相手は、みなさんがどんな話題を出してくるのかを冷静に判断している。その話題から、みなさんの人となりを推測しようとしているのだ。だからこそ、自分の評価を高めようというのなら、それなりに高尚そうな話題」をおススメしたいと思う。

米国アーシナス・カレッジの心理学者キャサリン・シャンブリスは、「デイケア」を話題にしてしゃべっていると、その話を聞いている相手は、話し手に対して「女性的」というイメージを持ち、「戦争」を話題にしていると、「男性的」というイメージが持たれることを明らかにしている。

話題によって、自分の評価というかイメージは、ある程度まで操作できるのだといえよう。雑談がうまい人は、決して自分の株を下げるような話題を出さない。彼らは、どんな話題で話せば、自分がどんなイメージを持ってもらえるのかを入念に計算して、雑談をしているのである。

週刊誌とスポーツ新聞の記事のことしか話題にしない人がいる。テレビのバラエティー番組と同じで、どうしても、少し安っぽく感じてしまう。これは、パチンコや競輪などの話題も同じだ。その中身がどうの、というよりイメージがそうさせてしまう。

これは、自分をブランド化すると考えるとよくわかる。それはたとえば、スポーツ選手たちの試合が終わってからのインタビューでの受け答えで歴然とわかってしまう。インタビューの受け答えのトレーニングをしっかり受けている選手たちの話は素晴らしい。特に、最近の日本のサッカー選手のスピーチは最近格段に向上している。

雑談やショートスピーチによって、自分がどんなふうに見えるのか、どんなイメージを持たれるのか、ということを常に考える必要がある。そのことが、自分のブランドを向上させていく。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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