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「面白さ」はアウトプットにある
今日のおすすめの一冊は、森博嗣氏の『面白いとは何か?面白く生きるには?』(ワニブックスPLUS新書)です。その中から『「新しい」ものは「面白い」』という題でブログを書きました。
本書の中に『「面白さ」はアウトプットにある』という一文があったのでシェアします。
アウトプットする「面白さ」は、インプットする「面白さ」の何十倍も大きい。両方の経験がある人には、理屈抜きで納得できる感覚だろう。いくらでも例が挙げられる。沢山の音楽を聴くよりも、自分で演奏し、歌った方が「面白い」し、またそうすることでしか上達できない。この成長がまた「面白く」感じられる要因として加わる。
あらゆる技は、すべて自分でやってみないとわからない。「やる」とは、アウトプットである。教えられている立場では、なかなか頭に入らなかったものが、人に教えると一度で自分の身につく。僕は、教壇に立って学生に二十数年間講義をしたが、教室にいる誰よりも、僕が一番勉強になった。
子供は、なんでも自分でやりたがる。見ているだけでは面白くないからだ。自分でやってみて、初めて「面白い」ことが本当にわかる。見ただけでは、「面白そう」としかわからない。「面白い」とは、本来アウトプットすることで感じられるものであり、それが本物の「面白さ」なのだ。「何十倍」と強調したが、それは、本質とダミィの差だといっても良い。
小説を読むことはインプットである。ただ文字を読むだけでは「面白く」はない。その物語の中に入る、いわゆる「感情移入」ができると、頭の中でイメージが作られる。これはアウトプットだ。感情が誘発されるのもアウトプットである。結局は、「面白さ」の本質はここにある。
ただし、これは商品を開発する側には、深刻な問題となる。何故なら、商品とはユーザーに買ってもらうものであり、その多くはインプットしてもらうものだからだ。アウトプットは商品になりにくい。売りにくいのだ。もちろん、だからこそ「面白さ」の真打として最後に登場する、ともいえるだろう。
ビジネスチャンスとしては、このアウトプットをアシストする、という方面でしか展開できない。あるいは、アウトプットに必要な材料、資料、環境、道具などを提供するしかないだろう。もちろん、アウトプットを始める人たちは、ほぼ初心者であるから、ノウハウを売ることは可能だ。たとえばDIYの本などが売れるようになる。また、素人がアウトプットしたものを紹介するような場も、ビジネスチャンスになるだろう。
読書にしても、読んだ本をSNSなどで、アウトプットするともっと面白くなります。しかも、アウトプットすることで、その知識なり知見が自分の血肉となりやすい。「何かを覚えたいなら、それを人に教えろ」と言われるゆえんです。せっかく得た知識や情報を自分の頭の中だけに眠らしておくことは本当にもったいない。少しでも人のお役に立った方がいいと思うのです。
また、商品にしても、「インスタ映え」という言葉があるように、買った人がSNSで発信しやすいような仕掛が必要となります。これが森氏のいう「アウトプットをアシストする」ということでもあります。買った人がつい楽しくて、それを発信してもらえるような状況をつくることです。飲食店でもそれを発信してもらえるような状況を作ることが現代では最も必要なことだと思います。
つまり、面白く生きるには「アウトプット」をし続ける、ということなんですね。
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