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人間はもともと怠惰な動物

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『小さな人生論 4』(致知出版社)です。その中から「心のスイッチ」という題でブログを書きました。

本書の中に「人間はもともと怠惰な動物」という心に響く文章がありました。

社会教育家の田中真澄さんが講演でよくされる話がある。 人間の能力は、知識、技術、そして心構えの三辺で表される。 どんなに知識と技術があっても、心構えが悪ければ、能力は出てこない。 すべては底辺の心構えいかんにある。 

さらに、よき心構えは積極性×明朗性で表される、という。 なるほど、と思う。 消極性×陰気では何事も成し得ない。 

確かに人生をひらいた人には共通した心構えがあった。 

その一は「物事を前向きに捉える」。 物事を後ろ向きに捉えて人生をひらいた人はいない。 

その二は「素直」。 宮大工の小川三夫さんは高校卒業後、「法隆寺の鬼」「最後の宮大工」といわれた西岡常一(つねかず)棟梁に弟子入り。 修業時代は棟梁の言葉にすべて 「はい」と従った。 そしていまや社寺建築の第一人者である。 その経験からいう。 「批判の目があっては学べません。素直でなければ本当の技術が入っていかないですね」と。 心にわだかまりがある人は人生を歪(ゆが)める。 多くの先達がいっていることである。 

その三は「感謝の念を忘れない」。 人生の成功者に共通した資質がこれである。 成功者は呪いたくなるような境遇をも、この境遇が自分を育ててくれると感謝している。 

その四は「愚痴をいわない」。 自分が出したものは自分に返ってくる。 宇宙の法則である。 愚痴ばかりいっている人は、愚痴ばかりの人生になる。 

心構えに関する田中真澄さんの卓見がある。 「心構えというのは、どんなに磨いても毎日ゼロになる能力である。毎朝歯を磨くように、心構えも毎朝磨き直さなければならない」 人生をひらく第二の鍵である。 

◆田中真澄氏は心構えについてこう語る。 

日本人は勤勉な民族であるとよく言われますが、本当は、そうではないと思います。 日本人に限らず、人間は、もともと、怠惰な動物なのです。 自己管理をしないでいれば、人間の心ほど頼りないものはありません。 油断をすると、すぐ怠惰な考え方に犯されるからです。 

「楽をしたい」「のんびりしたい」「遊びたい」「辛いことはごめんだ」といった気持ち、すなわちやすきに流れる性格を、私たちはみんな持っているのです。 その怠惰な心の姿勢を正すには、絶えざる自己規制、自己教育、自己啓発が欠かせません。 

その心の姿勢すなわち心構えは能力なのですが、この能力だけは毎日ゼロから磨き直さなくてはならないのです。 それが面倒だからと放置すると、誰もが怠惰になっていき、結果的には失敗の道を歩むことになるのです。 

このことは永遠に変わらぬ不変の真理なのです。 成功を続けている人は、そこのところがよく分かっているからこそ、心構えを磨く基本の行動・考え方を、日々、実行しているのです。 またそのことを信念にしているのです。(信念の偉大な力/ぱるす出版)

 田中真澄氏は、心構えを日々磨くには、読書することだという。 成功者や歴史上の偉人の本、あるいは自己啓発の本を読み、自らを鼓舞し、精神的に鍛え直す。 どんなに磨いても、毎朝ゼロになってしまうのが「心構え」。

 放っておいたらすぐ生えてしまう「怠惰」という雑草。 毎日、その「雑草」を取り、そして、心という畑を耕す。 「物事を前向きに捉える」「素直」「感謝の念を忘れない」「愚痴をいわない」という心構えを身に着けるため… 毎日、倦(う)まずたゆまず、いくつになっても、コツコツと努力を続けたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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