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トヨタ潰しの包囲網が加速する

今日のおすすめの一冊は、堀江貴文氏の『堀江貴文 2035 10年後のニッポン』(徳間書店)です。その中から「AIはいま、シンギュラリティに達しつつある」という題でブログを書きました。

本書の中に「トヨタ潰しの包囲網が加速する」という衝撃的な文章がありました。

2022年10月、EU(欧州連合)は内燃機関車(ガソリン車)の販売を2035年以降禁止することで合意。衝撃的なニュースとして世界を駆け巡った。その後、EUは 条件付きで一部の販売を容認する方針にあらためたが、内燃機関車に強烈な規制がかかることには変わりない。 

環境問題に配慮した脱炭素化を目指す。それが規制にあたってのEUの言い分だ。でもあくまで表向きの口実にすぎない。実態は明らかな「トヨタ潰し」である。 EUで販売が原則禁止となる内燃機関車にはHV(ハイブリッド車)やPHV(プラグ インハイブリッド車)もふくまれている。

HVやPHVの製造は、トヨタをはじめ日本の自動車メーカーが得意としている。その技術、クオリティにおいて海外メーカーの追随を許さない。

世界の自動車業界にとってゲームチェンジャーであり、今後本格的に普及していくEV(電気自動車)。だが、世界一の自動車メーカー・トヨタは完全に出遅れてしまった。 

トヨタはHV(ハイブリッド車)のプリウスを1997年に発売。ご存じのとおりこれが世界的に大ヒット。この成功がトヨタにとってのちのち仇になる。EVのポテンシャル、将来性を見誤ってしまうのだ。かつてEVは、ガソリン車やHVに比べるとはるかにスペックが劣っていた。バッテリー性能が悪く、まともな航続距離を確保できない。くわえて製造コストも高かった。

トヨタとすれば将来、そのEVがガソリン車やHVを脅かすとは夢にも思わなかったのだろう。EVには取り合わず、水素を燃料とした内燃機関「水素エンジン」の開発に力を入れるようになる。 そんなトヨタがようやくEV開発に注力するようになったのはつい最近だ。

「2030年までに30車種のEVを投入」という骨太の戦略方針が発表されたのは2021年。2023年4月にトヨタ新社長に就任した佐藤恒治氏は「従来とは異なるアプローチで、電気自動車の開発を加速していく」と表明した。 果たしてトヨタはここからEV市場を席巻できるのか。

しかし遅きに失した代償は大きい。 トヨタの自動車メーカーとしての技術に疑いの余地はない。そして資金力もある。 だが現在のEV開発ではガソリン車やHVとは大きく異なるノウハウが求められる。その代表格がICT(情報通信技術)だ。 

EVのトップメーカーであるテスラやBYDが製造しているEVは常時インターネ ットに接続されるコネクテッドカーとして、従来の自動車にはなかった画期的なスペックを獲得している。 わかりやすく喩えるなら“走るスマートフォン”なのだ。 スマホは端末を替えずともそのOSがアップデートされることで新しい機能が加わる。それと同じような技術がEVにも持ち込まれている。 

◆堀江貴文氏は「現在の自動車メーカーを取り巻く環境は、ひと昔前の携帯電話メーカーのそれと重なって見える」という。

ガラケーの短小軽薄というスペックを極限まで追求し、多くの国内メーカーで競ったあのガラパゴス化の状態が今の日本の自動車業界だというのだ。 その後、iPhoneが登場し、国内の電話メーカーは一掃されてしまった。これは、直近の日本の家電メーカー業界とも似ている。 

日本の未来のため、トヨタに起死回生の策があると信じたい。 

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