見出し画像

日本にはびこる「先生病」から脱せよ

今日のおすすめの一冊は、高橋俊介氏の『キャリアをつくる独学力』(東洋経済新報社)です。ブログも同名の「キャリアをつくる独学力」として書きました。

本書の中に『日本にはびこる「先生病」から脱せよ』という興味深い文章がありました。

独学の第一歩は、まず「学びの年功序列」から脱し、「受け身の学び」から「主体的な学び」へ転換することです。

 「なぜ学ぶのか(Why)」「何を学ぶのか(What)」「いかに学ぶか (How)」を主体的に決めていくという意識を強く持つのです。 

まずは、自身の「学びの主体性」の度合いを自己診断してみましょう。 自分がいままで学んできたもののうち、自分で選び、自分で決めて学んできたものがどのくらいあるか、そして、自分で学んでいこうと思っているテーマがどのくらいあるか、 棚卸ししてみるのです。 

私は1年の3割くらいを沖縄で暮らしますが、沖縄にジョンさんという、白くて長い髭が印象的なイギリス人がいます。 ジョンさんは1976年に来日し、東京から移り住んだ札幌市で日本人の女性と結婚。英会話教室を経営していましたが、リタイアを機に2006年、暖かい場所で暮らそうと、 沖縄に移住しました。 

沖縄では、夫婦でのんびり暮らしていくつもりでしたが、もともと好奇心旺盛な性格のジョンさんは、それだけでは物足りなく感じるようになりました。 故郷のイギリスで母親が手づくりしていたナチュラルチーズの味を思い出し、一念発起して、チーズづくりを始めたのです。 

その味が評判になり、いまでは地元のデパートでも「大里ホワイト」「琉球エメンタール」「ちゅら南城」といった商品名で販売されています。 

地元のコミュニティ誌に、ジョンさんのインタビューが掲載されていました。 「ジョンさんはチーズづくりをどこで修業されたのですか? 師匠の方はいますか?」 と質問され、ジョンさんは、「いいえ、どこでも修業していません。誰にも教わっていません。インターネットと本で自分で学びました」と答えたあとに、こう続けたのです。

「日本人って先生病なんですよね。お師匠さんについたり、修業したりしないと学べないと思っていませんか。そんなことないんです。いまはインターネットもあるし、何だって自分で学ぼうと思えば、できるんですよ」 

学びの師弟関係から脱せよ。 ジョンさんの独学のすすめは、とても示唆的です。

日本人は欧米に比べて権威に弱い傾向がある。日本では認められなかったものが、外国で認められると日本で流行ったりする。

また、中根千枝氏のいう「タテ社会」であるということも影響している。上下関係が大事で、たとえば体育会系の先輩後輩の関係や、兄弟の上下関係、会社の上司と部下、そして、師弟関係も重要視される。まさに先生病と言われるゆえんだ。

ITやAIによって大変化が起きている今、タテの関係だけを重視し、先輩が後輩を教える、先生が生徒を教えるという関係だけではこれからの時代は乗り切ることはできない。新しい知識は若い人の方がより多く持っているからだ。

これからの時代、自ら考え、自ら行動することが如何に大事か。先生病から脱し、独学力を高めたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?