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名医に早口はいない

今日のおすすめの一冊は、小林弘幸氏の『人生で一番役に立つ「言い方」』(幻冬舎)です。その中から「ため息はリカバリーショット」という題でブログを書きました。

本書の中に「名医に早口はいない」という心に響く文章がありました。

いわゆる名医といわれる人に、早口な人はいません。


たとえば一刻を争う緊急オペの場合、どうしても現場は緊張し、あせりがちになります。しかし、名医といわれる人は、「はいはいはい、ちょっと見せてもらえますか~」 など、非常にゆっくりした言い方をします。


すると周りの人間も、「あれ? そんなに大変じゃないのかな?」という気持ちになって落ち着きを取り戻し、絶望感に包まれていた空気が影をひそめていくのです。 百戦錬磨の名医は、自分が早口でまくしたてることによって、周りのみんなをあせらせてしまい、それがミスにつながることをよくわかっています。


生命がかかっている手術の場において、うっかりミスは決して許されません。だからこそ、たとえどんなに急いでいても、ゆっくり話すことによって、その場にいる全員の自律神経を安定させることを肝に銘じているのです。


大企業のトップとお話しする機会も多々ありますが、やはり、非常にゆっくり、丁寧に話される方がほとんどです。


手術だけではなく、緊急事態が起きた場合など、我々はとっさに早口になっている。その場のリーダーが早口になってまくしたてると、そこにいる人全員がパニックになりかねない。

欧米の危機管理の専門家はそんなときは、わざと「ブラックユーモア」を言って、その場を笑いで落ち着かせるという。これも、ゆっくり話すのと同様の効果がある。


早口を直すには「ゆっくり話す」と自らが意識するしかないという。

日常も「ゆっくり話す」を心がけたい。

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