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キレるのはカッコ悪い

今日のおすすめの一冊は、斎藤茂太氏の『人から「必要とされる人望まれる人」の共通点』(新講社)です。その中から「人を待たせない」という題でブログを書きました。

本書に「キレる人」という興味深い一文がありました。

「キレる」というのは、社会人としては、とても恥ずかしい態度だ。感情が激高して、思 わぬ言動をとり、その結果、周りの人を傷つける...ということなのだから、自分で自分をコントロールできない状態であり、あえていうなら、「自分という者」がまだ半人前の子どもであることを自らが証明しているわけだ。
目の前のトラブルに冷静で現実的な対処をするのが大人という者であり、対処法がわか らなくて自制心を失い、「キレる」のは、子どものやることであろう。
ストレスや不満で心がきりきりと張り詰めている人は、ゴム紐に例えるなら、すでにか なりの張力で引き伸ばされている状態で、そこにちょっとした刺激が加わっただけで、プ ツンとなってしまうわけだ。
キレるのは、相手や社会に対してだけではない。気持ちにスタミナがない人は、仕事が 少し行き詰まった、ちょっと失敗した、失恋したり友人を失ったりという......まあ、ちょ っと予定が狂っただけで、自分に対してキレてしまいがちで、 「もうおしまいだ。俺は何をやってもダメな男だ」 「こんな失敗をしてしまって、私はもう立ち直れない」 「あの人を失ってしまって、もう生きていくことはできない」 ....と絶望し、自暴自棄になり、無気力になり......
それまで自信満々でやってきた人や プライドが高い人に、かえってそういう傾向があるかもしれない。 一見、自信満々に見える人、プライドが高くて颯爽としている人ほど、実は気持ちに余裕がなくて汲々としている場合が少なくない。
「自信満々な自分」を演出し、周りにアピ ールすることで、自分でもそう思い込もうとしている人もいる。 本当に気持ちの強い人は、自分が失敗することも織り込み済みである。もちろん、最初から失敗する、と思ってやっているわけではないが、 「一度や二度の失敗はあたりまえだろう。成功は、もうひとつ先にある」 という展望を持っている。
同じ失敗という結果に対して、それを嘆いてばかりいる人と、そこから学ぼうとする人 と、どちらが好ましく思えるだろう? また、どちらの受け止め方のほうが、よりストレ スがなく、前向きに生きていけるだろうか。 「キレない人」は、強い人だ。そして、生きている姿に無理を感じさせない人だ。

キレたり怒ったりする人は、自分が正しいと思い込んでいます。「相手が悪いのだから、私が怒るのは当然だ」と、むしろ自分は被害者だと思っていたりします。そして、自分の怒りは正しいことなのだ、とアピールします。「なぜ、こんなことがわからないのだ」と。

また、怒りというのは他責です。他人が悪い、まわりが悪いと人のせいにします。そしてその心の奥底には、相手を変えようとする気持ちがあるのです。怒りという強い感情を表に出して、「相手が変われ」と強く迫っているのです。

昨今のコロナ禍での自粛警察もこれと同じ心理です。「私は正しい!」とその正義感が爆発するのが、「キレる」状態なのです。いずれにしても、本当の大人はキレることはありません。なぜなら、カッコ悪いからです。怒っている本人以外はみな冷静ですから、みんな見てるんですよね。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


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