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いくつになっても脳は変化し続ける
今日のおすすめの一冊は、中野信子氏の『感情に振り回されないレッスン』(プレジデント社)です。その中から『努力より「遊び」が必要』という題でブログを書きました。
本書の中に「いくつになっても脳は変化し続ける」という心に響く文章がありました。
1990年代前半まで主流だった考えは、「脳は大人になると衰えるばかりで成長する余地がない」というものでした。
しかし近年、この考えを覆す研究結果が、続々と報告されています。 例えば、2000年に英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究グループの実験によって、ロンドンのタクシードライバーの脳に、一般市民の脳との違いが見られるという結果が報告されました。
それによると、タクシードライバーの脳はあきらかに海馬の後部が大きく、全体は小さかったのです。それも、ドライバー歴が長いほど、海馬の後部が大きい。タクシーを運転し続ける経験を積むなかで、詳細な空間認識能力を貯蔵しておく必要に迫られ、海馬の神経回路の再構築がうながされたのです。
この情報は、回路が再構築されるだけでなく、 器質的な大きさの違いにまで反映されることを示したはじめての研究でした。
人間の脳は経験によって大きく変わります。それは、成長期の脳だけでなく、成熟した脳においてもそうなのです。 年齢を重ねても、死ぬまで、新しく神経細胞は生まれ続け、神経回路は変化し続けるのです。
《年齢を重ねても、経験によって人間の脳は大きく変わる》
◆「末路晩年、君子よろしく精神百倍すべし」という菜根譚の言葉がある。晩年になってからは、人は気持ちを百倍盛んにして、生きていく必要がある。つまり、人生の晩年に近づいたら、若い頃よりも、数倍心を引き締め、気合を入れて努力する必要がある、ということだ。
また菜根譚には、「人を看(み)るには 只(た)だ後の 半截(はんせつ)を看よ」という言葉もある。人を見るには、その後半生を見ろ、ということだ。晩年は自分が生きてきた結果が出るからだ。
つまり、いくつになっても、「学び続けること」であり、「脳をアップデートし続けること」が必要だ、ということ。
「いくつになっても脳は変化し続ける」という言葉を心に刻みたい。
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