日本の大学進学率は?
今日のおすすめの一冊は、出口治明氏の「還暦からの底時力」(講談社現代新書)です。
今回は、転載できなかった大事な文書を抜粋していくつかご紹介します。
これからは若者の人口が減っていく時代です。若者だけが高齢者を支えるということはできなくなります。だから年齢に関係なく社会を構成しているみんなが応分の負担をする「オール・サポーティング・オール」にしていかないと回らなくなります。
そのためには税制や社会保障のあり方を変える必要があります。働いている人も働いていない人も、みんなで社会を支えるなら、消費税にシフトするしかありません。一方、本当に困っている人に給付を集中するためには、マイナンバーを整備して所得や資産を把握する必要が生じます。
消費税は弱い者いじめ、という意見がありますが、世界でどこが一番バリアフリーで弱者に優しい社会かというと、それはヨーロッパです。そのヨーロッパの社会は消費税で組み立てられています。
世界に目を向けるとアメリカやイギリスをはじめ、ほとんどの国では定年がありません。なぜなら人間が大人になるということは、自分の食い扶持は自分で得るということです。だから人間は一生働くのが自然の姿であり、実は働き続けることによってのみ健康寿命が延びるのです。
また、出口氏は、下流老人をなくすには、厚生年金保険の適用を拡大し、パート、アルバイトなど全ての被雇用者を国民年金から厚生年金保険に移すことだといいます。国民年金は言ってみれば商店街の八百屋のおじさんの年金で、八百屋のおじさんは年を取っても店番くらいはできるので、そこでお小遣いを稼ぐことができる。だから5~6万円の年金でも生きていけるとう発想から出来た保険です。
日本の大学進学率は53%前後でOECD平均より7ポイント程度低い。つまり、日本は先進国のなかでは大学進学率の低い国です。そして大学に進学しても、学生があまり勉強をしない。これは企業側に問題がある。グローバル企業はたとえハーバード大学の学生でも、成績が真ん中より下だったら見向きもしないといいいます。
大学院生も積極的に採用しないのも一般的な日本企業の傾向です。「なまじ勉強した奴は使いにくい」というのが、その理由ですが、そんなバカな話はありません。大学院で自分の興味あるテーマを深く掘り下げてしっかり学んだ経験のある人のほうが、仕事でも面白いアイデアを出すに決まっています。だから、GAFAに負けてしまうんですね。
変化が激しく将来の見通しを立てにくい世界で必要なのは、物事を根底から捉える探求力です。問いを立てる力です。自力で考えられる子供たちを育成していかなければならないのですが、日本の教育はそのようにはなっていません。自分の頭で考えてこなかった日本の大人たちの問題がいま、いたるところに出ています。
もっと、もっと紹介したいのですが、残念ながら、紙数が尽きてしまいました。
今日のブログ(3分動画も)はこちら☟
https://ameblo.jp/hiroo117/entry-12601131679.html