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上機嫌な大人

今日のおすすめの一冊は、菅原圭(けい)氏の『運のいい人が心がけているちょっとした習慣』(河出書房新社)です。その中から「過去に感謝する」という題でブログを書きました。

本書の中に「上機嫌」についての素敵な文章があったので、シェアします。

「大人になる」とは、社会的な関わりのなかで生きていく自覚をもつということだ。上機嫌でいるか、不機嫌でいるか。大人になると、それはもう、自分ひとりの問題ではなくなるという認識をもっていたい。「上機嫌は大人のマナーだ」という言葉を聞いたことがあるだろう。機嫌のよしあしはまわりにすぐ広がっていく。
上機嫌なら問題はないが、不機嫌だと大問題だ。たちまちまわりに広がった不機嫌が、その課や部など、ひいては会社全体の士気を下げ、運も引き下げてしまうからだ。不機嫌な人がひとりいると、その場の空気を調え、元通りの成果をあげるためには、上機嫌な人が3人以上いなければいけない。これは科学的に証明されている事実である。
アメリカの心理学者マーシャル・ロサダは10年間にわたってアメリカ国内60社のマネジメントチームを観察し、「業績のいいチーム」と「業績の悪いチーム」におけるポジティブな言葉とネガティブな言葉の使用頻度などを比較し、「業績のいいチーム」ではポジティブな言葉がネガティブな言葉の約3倍、使われていることを明らかにした。
「ロサダの法則」と呼ばれるこの研究結果を拡大解釈すると、チームの業績を上げるには、ポジティブな言葉を発する上機嫌な人が、ネガティブな言葉を発する不機嫌な人の3倍いなければならないことになる。逆にいえば、不機嫌な人は上機嫌な人の3倍もの影響力を放ち、まわりを不機嫌一色にしてしまうといえる。恐るべし、不機嫌パワー!
人は、ひとりで生きているわけではない。家族、仕事の仲間、遊び仲間…。いつもまわりに人がいる。一人暮らしだとしても、背後には親や兄弟姉妹、友だち…自分の人生を支える多くの人がいるはずだ。いつも上機嫌でいることはこうしたまわりの人々の運も引き上げる効果があることを肝に銘じておこう。とくに役職者など、みなをまとめる立場になったら、自分をコントロールし、どんなときも上機嫌を保っていなければいけない、というくらいの自覚をもつべきだ。

「人間の最大の罪は不機嫌である」と言ったのはドイツの詩人、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテです。なぜなら、不機嫌は伝染するからです。そして、現代において最も注意しなければいけないことが、自分の「不機嫌」をSNSでまき散らすことです。不機嫌なことを拡散している人は、「不機嫌な人」というレッテルが貼られます。

自分の不機嫌をいくらまき散らしても、不機嫌が解消されることはありません。その結果、不機嫌が固定化され、ますます不機嫌にになるだけです。自分の機嫌をよくするには、「機嫌のいい人と一緒にいる」「機嫌がよくなる歌を聞いたり、動画を見たりする」「落語や漫才などを聞いて笑う」。

面白いことをいつもしている上機嫌な大人でありたいものです。

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