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大事なことは面倒なこと

今日のおすすめの一冊は、木下斉(ひとし)氏の『まちづくり幻想』(SB新書)です。その中から「年を取れば取るほど勉強する」という題でブログを書きました。

本書の中に「大事なことは面倒なこと」という心に響く言葉がありました。

宮崎駿さんの名言で「大事なことは、だいたい面倒くさい」というものがあります。 

地域においても同様で大事なことは、だいたい面倒くさいのです。だから手を抜いて、 一応予算が降りるための内容だけ考えればいいよということになったり、下手に反対をして揉めるくらいならしゃんしゃんで会議は終えたほうが自分も皆も楽だよ、というこ とになったりするわけですが、それでは「大事なこと」を失うことになるのです。

 逆に言えば「あー面倒だな」と思うことがあれば、それは「大切なこと」なのです。 

地域で事業を立ち上げれば、本当にあれこれとトラブルが起きます。本当に面倒だなと思うことが多々ありますが、結局そこでどうにか踏ん張ると成果につながり、さらに次の取り組みに生きていきます。 

本書に書いたことは大抵面倒なことです。こんなこといちいち考えずに、予定調和で、適当なところで手を打ったほうが楽なのですが、それでは地域において望ましい未来に向かうことは難しいでしょう。

本当に何かを10年前、20年前に興した地域は、浮き沈みはあれど、やはり何もしなかった、誰も面倒なことと向き合わなかった地域とは格段に違う良い地域になっています。

それは地域を根底から変えるほどのことでなくても、何もしなかったところとは違う、 キラリと光る魅力があり、次なる商品が作られたり、新たな人が集まるサイクルができています。

面倒なことは大抵多くの人はやらないので、自分がやればその成果は裏切らないのです。 世の中は需給でできていて、誰しもがやりたがる、楽なことというのは大して残りません。次から次へとやる人がいるからです。だけど、誰もやらない面倒なことをやり遂げると、それは残るものになります。

ノートルダム清心学園理事長、渡辺和子氏は「面倒なこと」についてこう述べている。

「面倒だ」と思った瞬間、「だから、しない」のでなく、「だから、する」こと。

他人様(ひとさま)が入っていらしたら、立つ。他人様とお話しする時はマフラー、手袋を外し、コートも脱ぐ。ポケットから手を出す。これらのことを、気の向く時、気の向く相手にだけするのではなく、自分のあり方として守ってゆく時、それはいつしかさまになり「美しさ」へと変わってゆくものです。

これは、しつけや礼儀作法の話だが、すべてのことは、面倒だからしないのか、面倒だからするのかによって、長い年月には、人としての実力には大きな差がつく。面倒なことをやり続けてきた人は、その面倒なことをやることがなんでもなくなるからだ。

「大事なことは面倒なこと」という言葉を胸に刻みたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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