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お茶を飲むときは、お茶を楽しもう

今日のおすすめの一冊は、枡野俊明氏の『迷ったら、ゆずってみるとうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)です。その中から「お互いにゆずり合う」という題でブログを書きました。

本書の中に「お茶を飲むときは、お茶を楽しもう」という心に響く文章がありました。

一秒たりとも時間をムダに使いたくない 時間に追われる毎日を過ごす現代人の多くがそう思っているでしょう。 とくに、新社会人のZ世代から共働きファミリーは動画を倍速で視聴し、ニュースをまとめサイトで読むなど「タイパ」を重視しています。 

「タイパ」とは、タイムパフォーマンスの略語で、「時間対効果」を意味しています。

だれしも、一日が30時間、40時間あれば、もっといろいろなことに挑戦できるのにと思っても、それは不可能です。 タイパは今にかぎらず、複数の作業を同時にこなす「マルチタスク」という仕事の進め方が話題になったことがあります。

たとえば、会議に参加しながらメールをチェックする、電話対応しながら資料を作成する、日常生活においては、スマホを観ながら食事をする、テレビを観ながら勉強するなどです。 

ビジネスでは、さまざまな作業を停滞させずに進めることができれば効率的であり、複数の関係部署とコミュニケーションをとりやすくなるかもしれません。しかし、それがほんとうの意味で効率的といえるでしょうか。

「喫茶喫飯」という禅語があります。お茶を飲むときは飲むことに集中し、ご飯のときは食べることだけに集中しなさい、という意味です。「今」に集中することが禅の教えの原点です。一度にできることは一つきりなのですから、それに無我夢中で取り組むのです。

たとえば、集中して仕事をしなければならないときに、「週末の友人との食事はどこへ行こうか」、「何の映画を観ようか」と考えてしまえば、肝心の仕事がおろそかになります。仕事でミスを犯してしまうかもしれません。あげくに、スマホでグルメ情報の検索を始めてしまうようでは、ビジネスパーソン失格です。

あるいは、週末に趣味を楽しんでいるとき、「月曜の会議が憂鬱だなぁ」などと考えれば、まったく楽しめません。仕事でも遊びでも、没頭すれば充実感が増します。仕事の時間は「仕事人になりきる」、遊ぶ時間は「遊び人になりきる」――これがタイパのよい時間の使い方です。

「喫茶喫飯随時過(きっさきっぱんときにしたがってすぐ)」
お茶を飲むときはお茶を、食事をするときは食事を。ただ目の前に出されたものを楽しむ。

「泣くときには泣き、笑うときには笑う」
目の前の一事に集中すること。そして、「今日、ただ今」にひたりきること。

お茶を飲むときは、お茶を楽しめる人でありたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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