まずは、実行すること
今日のおすすめの一冊は、藤原和博氏の『60歳からの教科書』(朝日新書)です。その中から『「情報編集力」を磨く』という題でブログを書きました。
本書の中に「まずは、実行すること」という心に響く一文がありました。
修正主義を徹底することで、グローバルに大きく成長した企業の代表例がスターバック スコーヒーです。 現在のスターバックスは、美味しいコーヒーやサンドイッチなどが手軽な値段で楽しめる店として、世界中の国々に定着しています。
近年は電源とWi-Fiがあることから、 パソコンやスマホを使って仕事ができる空間として、読書をしたり取引先とのミーティン グにも使われるようになってきました。 スターバックスと言えば、先進的でおしゃれでフレンドリーな店員とのコミュニケーションを思い浮かべる人も多いでしょう。
ところが1980年代のアメリカのスターバックスは、今とはだいぶ違うコンセプトの店だったことをご存じでしょうか。 82年にスターバックスに入社し、のちに会長となったハワード・シュルツ氏は、イタリアに旅行したときに現地のエスプレッソとコーヒー文化に感銘を受けたことで、スターバ ックスのコンセプトを着想します。
当初シュルツ氏が目指したのは、「完璧なイタリアンカフェ」。イタリアのカフェのように立ち飲みスタイルでエスプレッソを飲みながら、シガーをくゆらせるような店で、音楽もイタリアのオペラがかかっていました。
長い年月の中で、スターバックスを訪れるお客様の様子を注意深く観察しながら、現在のようなスタイルに修正していったのです。スターバックスの今の姿は、修正に修正、そしてまた修正と、飽くなき修正を積み重ねた結果なのです。
修正主義で大切なのは、「まずは、実行すること」です。実行して結果を得なければ、何を修正すればよいかが分かりません。答えがない不透明な時代だからこそ、「DA・DA・DA」の無限サイクルで突き進んでいく生き方が大事 になります。
たとえ失敗しても、すぐに改善すれば、大きなダメージを受けることはありません。とにかく一歩、踏み出すこと。
日本の多くの組織は、これまで「正解主義」に覆われてきました。 ミスをすれば経歴に傷がつき、出世の道が阻まれることがめずらしくなかった。そうい った組織では、「正解主義」に基づいて事業を一発で当てようとするため、事業計画に2~3年かけることが普通でした。
しかしそれだけ時間をかけても、事業はうまくいかないことがほとんどです。誰も責任をとらないまま次の成功に賭ける。そんなやり方がまかり通っていたのです。しかし、それはもう時代遅れでしょう。
Googleやアップルのような世界を牽引する巨大IT企業も、修正主義でプロダク トを開発することが常識になっています。 まず、やってみる。そして、どんどん修正していく。 皆さんもそのやり方で、人生を切り拓いていってください。
この修正主義で開発する手法は、「リーンスタートアップ」とも似ています。リーンスタートアップのリーンとはやせた、引き締まった、無駄のない、という意味で、あまりお金をかけずに事業をスタートして、顧客の反応を見ながら順次改良を図ることを繰り返すビジネスモデルです。
多くの人は、スタートする前に色々考えすぎます。そして、その結果やらない人がほとんどです。頭の中のイメージや夢で終わってしまうのです。しかし、本当は、何事もやってみなければわかりません。「まずは、実行すること」という言葉を胸に刻みたいと思います。
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