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少子高齢化をチャンスに変える

今日のおすすめの一冊は、落合陽一氏の『落合陽一 34歳、「老い」と向き合う』(中央法規)です。その中から『イノベーションの多くは「負」を解消するために生み出されてきた』という題でブログを書きました。

本書の中に『少子高齢化をチャンスに変える』という興味深い一文がありました。

たしかに、少子高齢化は一面においてはピンチに違いありません。しかし、今後の対応の仕方によっては、ほかの先進国や発展途上国がぶつかる人口減少問題と経済停滞に対する解決策を提示するチャンスでもあると感じています。いまこそ、日本が国際的なブランドイメージを取り戻す契機ともとらえられるのです。 
そのためには、人間からテクノロジーに近づいていくア プローチが求められるでしょう。テクノロジーが社会実装できるレベルに到達する前から、規制緩和やデジタル導入を大きく進める必要があるのです。導入にま つわる意思決定をデフォルトで「オン」にしておき、導入したくない方に「オフ」にする自由を保障するなどの対応が求められています。 
また、政府がトップダウンで社会実装を進めるのではなく、ある程度のリスクを民間が引き受ける必要も出てくるでしょう。「法規制のせいで、できなかった」 と泣き寝入りするクリエイターやエンジニア、そして研究者をこれ以上生み出せるほど、僕たちに残されている時間は多くありません。全体で一つの選択肢が取りにくい時代には、柔軟な選択と多様なモデルケースが求められます。 
僕がこのタイミングでこの本を出したのも、少子高齢化をチャンスに変えるために、少しでも多くの人たちにメッセージを届けたいと思ったからです。早急かつ適切にテクノロジーを実装していくためには、日本社会全体でその必要性を認識しなければいけません。そういった人たちが解決策を提案し、先入観にとらわれず、その技術的変化を受け入れていくことで、突破口は見えてくると思ってい ます。
そんな技術的変化の先駆となるのが、介護産業だと僕は考えています。介護の 現場は、社会に先んじて「省人化」「生涯現役」「身体拡張」といった、次世代の キーワードへのニーズが高く、新しい技術を実験的に実践する土壌がそろっています。

落合氏はテクノロジーによって、「介護」だけでなく「老い」の固定概念までも刷新されていく可能性がある、と言っています。たとえば視覚障がいは、メガネやレンズを通して情報を脳に直結したり、聴覚障がいはマイクを通して聞き取った音声を直結させるテクノロジーで補完することができるそうです。

また、今後、テクノロジーで進化していくものとして、車いす、ロボットアーム、パワースーツ、義手、義足等々、これらを身体拡張の機能として捉えています。メガネがサングラスのようなファッションになったように、例えば、車いすが自動運転化するとか、高機能になってファッションになる可能性もある、と言います。

少子高齢化というピンチをチャンスに変えるテクノロジーに、今後注目したいと思います。

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