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8割の人は大きな変化を好まない

今日のおすすめの一冊は、田中真澄氏の『幸せな人生を歩むための8つの法則』(ぱるす出版)です。その中から「フランクリンの13の徳目」という題でブログを書きました。

本書の中に「8割の人は大きな変化を好まない」という心に響く一節がありました。

《徳は孤ならず、必ず隣あり》
「徳は孤(こ)ならず、必ず隣(りん)有り」という諺があります。徳のある人のそばには必ずその人を支持する同志的な人が集まる、という意味です。確かにこの言葉通り、世の中の動きを見ているとそうなっています。
世の中を構成している人々の約8割は、大きな変化を好まない傾向があります。現状維持が好きな人が多いということです。一方、2割の人は、変化への対応に抵抗が少なく、良い変化であればそれを支持する側に回るのです。
そのことを、米国スタンフォード大学教授のエベレット・ロジャーズ氏は、新しい農業技術が普及していくプロセスを調べている時、「物事を創造する革新者は世の中に2.5% ほど存在し、その革新者の言動にすぐ賛同する人たちは15.5%いる」という法則性があることに気づきました。
この時、私は異様に興奮したことを覚えています。なぜなら、私は当時から職場では新しいことを言う人間として見られていました。新しい動きに関心があり、いつも会議などでは人の知らないことを提言していましたが、その提言の多くは否定されました。なぜ否定されるのだろうかということが、この本を読んでわかったのです。
つまり、おおよそ8割の人は新しいことには興味がないのです。 それまで、常に反対する人が多いので、無力感を感じていましたが、その本を読んで自信をもちました。以来、多くの人が私の言うことに反対するというのは当たり前と考え、自分のアイデアを発表し続けました。
すると、どうでしょう? 秘かに賛成する人たちが出てきたのです。しかもいずれも優秀な人たちでした。私が1969(昭和4)年に日経マグロウヒル社(現日経BP社)に出向し、新しい販売政策を企画し、日経本社にその協力を依頼した時には、その彼らが積極的に応援してくれたのです。
この体験は、私の独立の際に大いに役立ちました。私が独立後に講演や執筆で思いきったことを提言すると、そのことを有能な人ほど賛成してくれ、「田中の提言は面白い。聴いたほうがいい」と人にも紹介してくれました。
このように周りの人に影響力を持つ人をインフルエンサーと言いますが、この人たちの 口コミの力は、広告媒体の宣伝よりも効果があります。その効果が知られるようになり、 最近では企業がSNS上で、インフルエンサーの口コミを活かすインフルエンサー・マーケッテングを盛んに使っています。

現状維持の姿勢の反対は、現状打破の姿勢です。新しいことを企画したり、提案したり、今までとは違った方向に改革しようとする姿勢のことです。

『新しい意見は常に疑われ、たいてい反対される。まだ一般的ではないという理由だけで。』(ジョン・ロック)

「8割の人は大きな変化を好まない」と言います。まさに、新しい試みやチャレンジが否定されるのはここに理由があります。だからこそ、多くの人に反対されるのはむしろ名誉なことだと考え、常に新しいことにチャレンジする人でありたいと思うのです。

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