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行動の源泉は「気骨」と「気概」

今日のおすすめの一冊は、枡野俊明氏の『定命を生きる よく死ぬための禅作法』(小学館)です。その中から「お預かりしている命」という題でブログを書きました。

本書の中に「気骨、気概は、暮らしを充実したものにする」という一文がありましたので、ご紹介します。

「大日本沿海與地全図」を完成させるため、全国各地を歩き、17年間にわたって測量をつづけた伊能忠敬が、最初の測量のため蝦夷地に赴いたのは55歳のときでした。ちなみに、江戸時代の日本人の平均寿命は30歳~40歳といわれます。それにしても、55歳は老境には違いなく、忠敬の気骨「みごと!」、気概「あっぱれ!」というしかありません。
気骨、気概は、老いの暮しを楽しく、充実したものにするために、不可欠の要素です。「禅即行動」という言葉は、とにかく動くこと、行動することが、なにより大切だということをいったものですが、行動の源泉は、気骨、気概にあるといっても、けっして過言ではありません。
わたしの寺のお檀家さんのなかにも、「(年寄りの)“冷や水”なにするものぞ」という人がおられました。きっかけはリハビリでしたが、ウォーキングにすっかりはまり、それがジョギングに発展、ついにはマラソンにトライするまでになったのです。ウォーキングに取り組み始めたのが70歳、マラソンはなんと、93歳までつづけられたのですから、泉下の伊能忠敬にも匹敵する健脚ぶりでした。
“冷や水”が見つかれば、眠っていた気骨、気概も目覚めます。動かずにはいられなくなる。そして、いきいきとしている姿を見れば、忠告者たちだって、必ず、応援者に変わりますよ。

これは、年を取った「年寄り」だけの話ではありません。若くても行動しない、新しいことにチャレンジしない人は多いです。それは、つまり「気骨」や「気概」がないということなんですね。気骨とは、誰に何と言われようと、自分の信念を曲げず、容易に屈しない強い心のことを言います。

フランス第18代大統領のシャルル・ド・ゴールのこんな言葉があります。『気骨のある人は 困難に対して特別な魅力を感じるものだ。 なぜなら困難に立ち向かってこそ、 自分の潜在能力に気づくのだから』。いくつになっても、気骨や気概を持って人生を生きていきたいものです。

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