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無駄なことを沢山しなければダメ

今日のおすすめの一冊は、川上哲治氏の「勝機は心眼にあり」です。今日は、ブログに書ききれなかった川上哲治語録をご紹介します。

打撃の神様と言われた巨人軍の川上さんは、その後巨人軍の監督となりました。日本シリーズ9連覇を成し遂げ、長嶋茂雄氏に監督を引き継ぎました。現役を引退後、巨人軍のオーナー正力さんにすすめられ禅と出会いました。この本の副題は《球禅一如の野球道》となっています。

◆私が監督を拝命したとき取り入れたのが、ドジャースの戦法で、これは技術的なものです。それに東洋流の「報恩・感謝」という心を入れました。たとえば、小さなことですが、トイレのスリッパを揃えて脱げとか。風呂や洗面所も後で使う人のことを考えて綺麗にしておかねばならない、集団生活では、ひとに迷惑をかけないということを教育する。

ところが、選手の中には、「私は私生活まで契約していません」と言う者もいたのです。「グランドでは監督の言うことを聞いて一所懸命やりますが、私生活では何をやっても構わんじゃないですか」と。私生活で仲間との共同生活がうまくやれないで、うまくやれるものだろうか。チームメイトのことは知っちゃいない。オレはオレだという。そんな私生活を送りながら、グラウンドで一瞬を争う時に、仲間と以心伝心で気の合ったプレーなんてできません。

◆ぎりぎり苦しい時を簡単に諦めたりしないで、自分が志したことに持続して挑戦していくことのできる人なんです。そして、どんどん突き抜けて行く。それを禅の言葉でいえば、「窮すれば通ず」あるいは「窮して変じ、変じて通ず」という。これを老師は「窮しただけじゃ通じないよ」って言うんです。窮して窮して、窮してもさらにやっているうちに、突然パッと変じて、何かヒントを得てパッと出て行くという展開があるわけです。

◆簡単に言うと、スランプというのは上がり前ということです。一段上達する前だって言います。スランプというのは壁なんです。その壁をどう突き破るか、という話ですから、「窮して変じ、変じて通ず」ということになるわけで、そこに新たな心境が開ける前兆とも言えるわけです。

◆私は、例にとって「お濠(ほり)に浮かぶ白鳥」の話をしました。あれだけ静かに、絵のように綺麗に動いているように見えても、隠れたところでは、小さな水かきの付いた足がギューッと水を掻いている。あれを忘れちゃいかんという話をよくしました。

それから海の中の氷山の話です。氷山が海面よりちょっと上に見えるが、水面下に隠れている部分は、ものすごく大きい。だから、安定して見える。ところが、あれが逆になっていたとしたら、とても話にならない。野球もそれと同じで、無駄なことを沢山しなければダメなんだ。隠れているところ、表面には出てこない力を引き出すことや、その力がなかなか出てこない苦労というものを一所懸命やる。

下が大きくなればなるほど、そのぶんだけ、いつか表面に出てくる。この見えないところを一所懸命やっていくのが本当の本物だ。

今日のブログ(3分動画も)はこちら☟
https://ameblo.jp/hiroo117/entry-12601354525.html

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