大人は、粋な返しができる
今日のおすすめの一冊は、萩本欽一氏の『人生後半戦、これでいいの』(ポプラ新書)です。その中から「遠くすること」という題でブログを書きました。
本書の中に「大人は、粋な返しができる」という心に響く文章がありました。
人生を楽しくしたいなら、みんなもっと粋(いき)な言葉を勉強すればいいのに、と思う。 粋な言葉の威力はすごいですよ。 人間関係は広がるし、運も向いてくる。 仕事だって成功する。 ぼくもずっと勉強しています。 活字でもテレビでも、粋だな、と感じた言葉は必ずノートに書き留めたりしてね。 それはもう習慣になっている。
粋な言葉を身につけるコツ? まずは現実をそのまま言葉にしない。 腹が立った時に怒りの言葉を、泣きたい時に悲しい言葉を、不満がある時に愚痴を言わない。 当たり前すぎて、それでは何も起こらないですよ。 そうじゃなくて、辛かったら楽しい言葉を、悲しかったら嬉しい言葉を、悔しかったら幸せな言葉を言ってみる。 それも笑顔でね。 そしたらきっとその人とその言葉に惚れる人が現れて、物語が始まる。 そう、粋な言葉って、物語を始める言葉なんです。 そこから人生が変わっていきますよ。
ぼくが粋な言葉を勉強するのは、嫌な出来事を粋に解決できるといいな、と思っているから。 例えば不愉快な言葉を誰かに投げつけられても、にっこり笑って粋な言葉を返せたらいいと思わない?
「お前、その三段腹どうにかしろ」って言われたらどうしたらいいか? それはもう、にっこり笑って「お好きですか?」じゃない? 相手も意表を突かれて、それからにやりとするよ。 それで一気にあなたが好きになる。 粋な返しができたあなた自身も、気持ちいいと思いますよ。 それですっかり粋な返しがやみつきになったりしてね。
もちろん、家族や夫婦の間でも言葉のやりとりは大事ですよ。 思ったこと、感じたことをそのまま相手にぶつけるのは野暮というもの。 言葉をちょっと工夫すると、余計な喧嘩もしなくて済むだろうし、お互い、いつもいい気分でいられますよ。 ついでにちょっと芝居でもしたら、もっといいかもしれない。
ぼくが若い頃は、周りには粋な大人が多かった。 その人たちを見て、粋な言葉を使えるのが大人なんだ、と教わった。 あの頃は江戸っ子がまだ生きていたんですね。今は粋な言葉を話す大人がいないし、どこにも、“粋”が見当たらない。政治家も、損か得かの言葉しか言わないし。なんだか残念だね。
嫌なことや不愉快なことが起きたとき、それに対してカチンときたり、怒ったりしないで、ユーモアで返せたら、本当に粋でカッコいいですよね。 そんなとき、怒鳴ったり、イライラしたりすれば、「ちぃっちゃい人」になっちゃいます。
器の小さい人は余裕がなくて、野暮な人です。 また、無粋(ぶすい)な人でもあります。野暮で無粋な人は、男女を問わずモテません。 嫌なことにどう対処するかで、その人が粋かどうかすぐにわかります。
どんなときも、相手の心をほっこりさせるような、粋な言葉を使える人でありたいと思うのです。
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