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魅力は減っているか、増えているか

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『“ちょっと尊敬”される人になる本』(三笠書房)です。その中から「世代を超えた人脈」という題でブログを書きました。

本書の中に「魅力は減っているか、増えているか」という心に響く文章がありました。

かつて向上心を持っていて、いまは向上心がなくなった人というのは、“知的好奇心の矢”が飛び終わった人である。 

教師でも、この人はもう終わったなという先生、情熱がほとんど失せてしまった先生もいれば、年をとるごとに情熱が高まる先生もいる。 若いときは同じように向上心があっても、30歳を過ぎるとだんだんその差が激しくなってくる。 

だから私は「知的加速度」が大事だと思う。 この半年間でどれだけ勉強してきたか、知識を増やしてきたかと考える。 「うーん、仕事はしてきたが、それほど新しいことは勉強してこなかった」という人は、魅力が減っている恐れがある。 

かつて人生50年と言っていた時代からすると、いまや70年、80年が当たり前になっている。 80歳まで生きるなら、60歳から数えても20年も学ぶ時間がある。 この間を漫然として過ごせば大変なよどみの長さとなる。 自分自身も晴れ晴れしないし、社会的にもプラスではない。 そういうことから私は向上心を習慣化、技化(わざか)することが重要だと思う。 

人は老年期に向かうほど暇が増える。 そんなときこそ、新しいことにチャレンジする余裕が生まれるから、いままでまったく勉強してこなかった分野に挑戦してみる。 そこで「すごい、すごすぎるよ!○○」と週に一つでも増やした知識を家族や知人に話すようにする。 これを数か月続けたら大したもので、まさに向上心や知的好奇心を習慣化、技化したと言えよう。

 いまあらゆる分野で「すごい、すごすぎる」ことが起こっているにもかかわらず、好奇心が不足して「見つからない見えない」ではあまりにももったいない。 市民大学の講師をしていた頃痛感したのだが、女性は30代40代と勉強し続けた人も多く、その間あまり勉強してこなかった男性との間に、しだいに大きな知的水準の差がついてしまう。 

夫婦の会話もずれが生じてくる。 実際、男女のつき合いでも女性が男性の教養のなさにあきれて、つき合いをやめるケースもある。 年を重ねればこそ、男性も見た目や収入以外の知的なことに関心を持ってもらいたい。 

知的好奇心は人としての魅力の源であるのは間違いない。 

何かを、習慣化、技化(わざか)するにはアウトプットするのがいい。 例えば、読書を習慣化したいなら、読んだ本の感想や要約などをブログやフェイスブックで発信する。 ウオーキングを習慣化したいなら、毎日の歩いた歩数をメルマガやSNSで発表する。 

好奇心は、頼まれごとを引き受けると、そこから広がってくることが多い。 例えば、PTAの役員を引き受ければ、学校のこと、教育のこと、組織の運営のことなどに興味がわき、そこに好奇心が生まれてくる。 

ただし、大事なことは、どんなことを引き受けても、それを面白がることだ。 嫌々(いやいや)引き受けたり、面倒でつまらないと思ったら、そこに興味はわいてこない。

「この人はもう終わったなという人は、情熱が失せ、好奇心の矢が飛び終わった人」 

いくつになっても、キラキラした好奇心を持ち続ける人でありたい。

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