「ながら力」を高める
今日のおすすめの一冊は、明治大学教授、齋藤孝氏の『大人の知的習慣 「複合力」こそが究極の効率化である』(KADOKAWA)です。その中から『「複合力」を身につける』という題でブログを書きました。
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齋藤孝氏は「複合習慣」の基本パターンを身に付けるには、3つのことが必要だといいます。一つは、話す×書くです。もう一つは、聞く×書くです。最後の一つは、読む×話すです。
一つ目の「話す」と「書く」の複合行動は、友人と話をするときに、それを一枚の紙に言葉や矢印や図を使って書き込みしながら話をすることです。二つ目は「聞く」×「書く」です。これは学校などで先生の話を聞いて、それをノートに丸々写すのとは違います。それはたとえば、アウトプットを意識したインプットをするということです。アウトプットを前提にして聞くことにより、効率的にインプットの質が高まります。さらにアウトプットの質を高めるには「いい質問」をすることです。
いい質問とは、「もっと知りたい」「この場合はどうなるのか知りたい」と、プラスアルファが引き出せるような質問です。よくない質問は「ききそこなったかわからないだけの質問」や個人的な体験を延々と話したり、個人的な質問を投げかけてくることです。ここにも「複合力」がベースになければ「いい質問」はできません。いい質問ができる人は、話を聞きながら、自分なりに理解したことをメモにして、さらにその上でわき上がってきた疑問もメモすることができる人です。三つ目は「読む」×「話す」です。典型的なのは音読です。音読というのは内容の理解とセットになっています。
これからの人達に要求されるのは、一つのことをやりながら、同時に別のこともやるというようなマルチな才能です。昔は「ながら作業」や「ながら勉強」は集中力を欠くのでダメなのだと言われてきました。しかし、これからは頭を大きく切りかえなければなりません。「話す×書く」や「聞く×書く」では「グラフィックレコーディング」という手法があります。会議の中の議論を、文字とイラストを使って可視化して記録する方法のことです。
また、「読む×話す」では、読書の感想を、映像と音声で記録しユーチューブなどで流す方法があります。本の内容を要点をまとめ、自分の言葉で話すことにより、より理解が深まります。あるいは、子供に絵本の読み聞かせをする、ということもあります。
時代は、マルチな生き方が求められています。マルチな生き方とは、藤原和博氏の提唱する、一つの専門分野だけでなく、それとはできるだけかけはなれた専門分野を持つことです。できれば専門分野は3つ欲しいといいます。その三角形の面積が広ければ広いほど、これからの時代は食べていける確率が高まるというセオリーです。
「複合力」とは、まさに、そのセオリーを自分の中で「技(わざ)」として使いこなすことです。同時に二つのことを平行して行うという「ながら力」を高めると言ってもいいかもしれません。
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