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魅は与によって生じ、求によって滅す

今日のおすすめの一冊は、大野正人氏の『失敗図鑑』(文響社)です。その中から「ライト兄弟の失敗」という題でブログを書きました。
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ライト兄弟が飛行機についての「特許」を取ったのは、自分で独占したいという欲からきたものです。しかし、不思議なことに、自分で独占しようとすればするほど、人の魅力は薄れてきます。そして、運を落します。そのことを無能唱元氏はこう述べています。

「魅(み)は与によって生じ、求(ぐ)によって滅す」 人蕩(じんとう)の極意は簡単です。 「与えればよい」。答えは恐ろしく単純です。すなわち、あなたが他人に何かを与えれば、あなたに「魅(ひ)きつける力」は生じ、あなたが他人から何かを取ろうとすれば、その力は即座に消えてしまうのであります。 (人蕩(ひとたら)し術/日本経営合理化協会)より
無能唱元氏は、「人蕩し」とは 人を「蕩然(とうぜん)とした気分」 にすることだといいます 蕩然とは、他人によってよい気分にさせられる いわば催眠状態にあることです。 その人蕩しの極意が、魅力です。 魅力は人に与えることで生まれ、人から求めること、奪うことで消失します。

無能唱元氏が、よく紹介する「人蕩し」の名人が 太閤秀吉です 部下への驚くほどきっぷのよい、お金や恩賞の配り方や、 同僚や上司への、嫌われないための徹底した気配りです。 与える人に、人は魅力を感じます。しかし、反対に奪う人は嫌われます。自分からは何も出さず、もらうばっかりの人です。それを「ケチくさい人」と言います。

ケチくさい人は、結局は運を落とします。なぜなら、そういう姿をまわりの人は案外見ているものだからです。そういうことが続くと、結局は人望がなくなります。人望がなくなったら運も落ちてしまいます。運は人が運んできてくれるものですからです。

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