心に引っかかること
今日のおすすめの一冊は、ポール・アーディン氏の『プレイ・ジョブ』(サンクチュアリ出版)です。その中から「驚かそう」という題でブログを書きました。
本書の中に「心に引っかかること」というとても興味深い文章がありました。
同僚から聞いた話だ。彼は友人を連れて、北ロンドンで開かれている展覧会に行ったという。そこに展示されている作品は…まあ簡単に言ってしまえば、コンクリートブロックで作った、原色のひじ掛け椅子とソファだけだった。
連れていった友人がそれらを見て言った。「おい、おまえはこんなガラクタを見せるためにオレをここに連れてきたのか?そんな時間があったら、うまいランチを食べられたのに」彼の文句は帰り道の間ずっと止まらなかった。
オフィスに到着してから、同僚はこう言ったそうだ。「君はあの作品が好きじゃないと言っただろう。なのに、初めて目にしたときからずっと夢中じゃないか」好きとか嫌いを通りこして、彼の友人はどうしてもその作品のことを忘れることができなかったらしい。
いままでにない新しい作品というものは、なかなかすぐに好きになれないものだ。他に比較できるものが存在しないからである。しかしよく理解できなかったものが、努力して理解できるようになったとき、そこにはより深くて大きな感動がある。すばらしいアート作品には説明は不要だ。それは「なんでも好きになるべきだ」という意味ではない。
もし、誰かの悪口をずっと言っていたとしたら、それはその人にとても関心があるということです。関心のない人は、話題にもしないから。その人の何かが引っかかっているということです。
人に限らず、商売でもこれは同じことです。受け入れがたいこと、引っかかっていることは、好き嫌いを越えて、一度冷静にながめてみる必要があります。そこには必ず、何か得るものがあるはずだからです。何か心に引っかかることには意味があります。
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