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「引退」は時代遅れ

今日のおすすめの一冊は、スーザン・ウィルナー・ゴールデン氏の『超長寿化時代の市場地図 多様化するシニアが変えるビジネスの常識』(ディスカヴァー)です。その中から、本書と同名の「超長寿化時代の市場地図」としてブログを書きました。

本書の中に『「引退」は時代遅れ』という心に響く文章がありました。

長寿カスタマーが経験する人生の各フェーズやステージを分類・命名することも非常に重要だ。従来の「教育・仕事・引退」の3ステージはもはや時代遅れで不適切である。多様なステージが生まれているのだから、その多様なあり方を表す語彙が必要だ。

さらに、ステージは、加齢とともに自動的に推移するものではないため、用語には柔軟性が求められる。このステージ一覧には「引退」「リタイア」という語がないのだが、それには理由がある。

さまざまな変化を受けて、「引退」のステージが枠組みとして役に立たなくなってきているのだ。 まず、定年退職の年齢が上昇していることが挙げられる。また、80、90代、何ならその先まで健康で生きているという経済的現実を前に、そう簡単には「引退」を選べなくなってきている。

何より、健康な高齢者は引退を望んでいない。働きたいのだ。こうして、65歳で定年退職して引退、というのは時代遅れになっている。 

従来の「引退」、すなわち定年退職のステージに代わるのは、以下のようなステージだ。 
方向転換☞キャリア優先の人生から新たな目的へと軸を移す 
再発進☞人生の新たな章を始めるための活動を行う(学習など) 
移行☞ある属性から別のものへと自分のアイデンティティを移行する 
人生の優先順位の再設定☞新たな優先順位と目標に向けて、価値観を再構築する 

これまで引退後の生活だった時間の多くは「学習」に使われるようになる。学習は人生の冒頭で済ませるものではなくなり、人生のあらゆる時期を通じて、より有意義な学びが得られるようになるだろう。

個人としても、長い人生の中で、キャリアの移行を計画し、それに合わせ たスキルアップを行う必要性がより高まるだろうし、企業としても対応が必要になる。 複数のライフステージをまたぐサポートや、ステージ移行の支援に関わる新ビジネスが続々と出てくるだろう。

◆落合陽一氏は『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書』(小学館)の中でこう語っている。

これからの長い人生を生きる人々は、水を飲みながら走るマラソンランナーのように学び続けなければなりません。その過程で失敗することも一つの学びであり、その失敗を挽回する時間もたくさんあります。最も価値ある学びとは、本気の挑戦の中にあるトライアンドエラーです。

さらに専門知識を学び直すことは何才からでもできるし、そこで得た学びを生かしてまたチャレンジすることもできます。常に考え、学び続ける。その繰り返しが自分を更新することにつながり、新しい時代の一員として生きることになるのです。失敗するのは当然ぐらいの感覚で、学び続けることをやめず、チャレンジすることを恐れずに生きていきましょう

テクノロジーの変化の激しい現代、今我々にもっとも必要なことは、「新しいことを知ろうとすること」「新しいことをやってみること」であり、「変化をおそれないこと」「より冒険的であること」「好奇心あふれること」だ。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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