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「ことごとくよろし」という肯定の哲学
今日のおすすめの一冊は、行徳哲男師の『いまこそ、感性は力』(致知出版社)です。その中から『「素朴愚拙」の魅力』という題でブログを書きました。
本書の中に『「ことごとくよろし」という肯定の哲学』と言う心に響く文章がありました。
物事を肯定して、変革・創造していくところからしか本物のエネルギーは生まれませんよ。そのためには感性の力が欠かせない。感性とは受容の哲学です。
江戸末期、九州の日田(ひた)に江戸時代の儒学者広瀬淡窓(ひろせたんそう)が作ったという咸宜園(かんぎえん)という私塾がありました。大村益次郎や高野長英が学んだことで知られています。
「咸宜(かんぎ)」というのは三千年近く前の中国の教えで、「ことごとくよろし」という意味です。不況だっていいじゃないか、と徹底的な肯定の思想がベースにあるわけです。
だから、どんな人材でも来たらいいじゃないかというわけで、咸宜園には、身分性別に関係なく誰でも入門できたといいます。そのため全国から四千人もの人がやって来たそうです。こういう包容力というか、おおらかさというか、磊落(らいらく)さというか、これが感性の力ですよ。
肯定的になったときだけ、人は冒険的になれる。夢や希望を持つ事ができ、元気が出てくる。反対に、否定的になったとき、人は失敗を恐れ、チャレンジをしなくなる。できない理由を探し、夢や希望を打ち砕く。
そもそも人は、「できる方法を探す」より、「できない理由を探す」ほうが簡単だ。否定だけしていればいいからだ。
肯定的な人は「笑い」が多い。そして、いつも機嫌がいい。否定的な人は笑わない。そして、いつも不機嫌だ。誰かが突拍子もない意見を言ったとき、それを「面白がったり」「大笑いする」人はそれを肯定している。「笑う」ことは、それを「受け入れている」ことだからだ。
また「笑い」は、許しでもある。「まあ、仕方ないな」と笑って許す。ご破算(はさん)にすること、リセットするということだ。
「ことごとくよろし」と、すべてを許し受け入れる、肯定的な人でありたい。
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