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頼まれごとは二つ返事で
今日のおすすめの一冊は、内藤誼人(よしひと)氏の『ビビらない技法』(大和書房)です。その中から「強烈なリーダーシップはかえって有害」という題でブログを書きました。
本書の中に『頼まれごとは二つ返事で』という心に響く一節がありました。
「○○クン、ちょっと書類をA社まで届けてくれないか?」「え~、僕がですか?」「○○さん、ちょっとトイレ掃除をしてきてほしいんだ」「え~、なんで私が?」人にモノを頼まれたときには、「ハイッ!」と元気よく返事をし、すぐにその行動をとってあげよう。
頼まれたことが、自分の職務の範囲なのかとか、自分がやらなければならない仕事なのかなどと、考えなくていい。面倒くさい顔を決して見せてはならない。面倒な頼まれごとを、キッパリと断るのが図太い神経の持ち主ではない。それは、ただの面倒くさがり屋である。
積極的で、パワフルな人間は、どんな仕事も二つ返事で引き受けるものなのだ。どんなことも喜んで引き受けるから、頼りがいがあると思ってもらえるのだ。人にモノを頼まれたとき、「なんで俺が…」とブツブツと文句を言うような人になってはならない。
支店への出向や、異動を頼まれたときも同様で、文句をいうのではなく「よし、やってやろうじゃないか!」と喜んで引き受けるからこそ、上司や社長のおぼえもめでたくなるのである。
ニューヨーク大学のジョー・マギーは、海外勤務を命じられたときに、あれこれと理由をくっつけて断る人と、「よし、異文化を学ぶチャンスだ!」とか「これでキャリアが身につくぞ!」と考えて引き受ける人の文章を作成した。
そして、その文章を119名の人に読ませ、「あなたは、この人がどれくらいパワフルだと思うか?」と尋ねてみた。すると、命じられたことを積極的に受ける人のほうが、パワフルだと評価されることが明らかにされたという。
雑事であろうが、重要な仕事であろうが、人に頼まれたときには、「ええ、喜んで!」とすぐに引き受けよう。まごまごしたり、熟慮などしなくていい。不満そうな顔を見せてもならない。
「言われたことを簡単に引き受けるのは、気弱な人なんじゃないか?」と思われるかもしれないが、それは違う。気弱な人は、ものすごく不満そうな顔をしながら、文句や愚痴をまきちらしながら、しぶしぶ引き受けるのである。
喜んで引き受けるのは、気弱な人ではなく、パワフルな人である。どんな厄介な頼まれごとも、胸を叩いて引き受けよう。それが、みなさんにとっての信用となる。
中村文昭氏の「頼まれごとは試されごと」という有名な言葉がある。誰かに何かを頼まれたら、相手の予想を上回るスピードでそれを達成する、というものだ。頼まれたことを、試されたと思って必死でやっていく人は、誰からも好かれる。誰かに何かを頼んだとき、イヤな顔をされたら、もう二度と頼むまい、と思ってしまう。
反対に、何かを頼まれた時、秒速で「ハイ、かしこまりました!」と言って引き受け、それをいとも簡単にでやってのける人は、多くの人から喜ばれ、可愛がられる。
どうせやらなければならない事なら、気持ちよくニコニコして引き受けた方がいい。言い訳や文句や愚痴などを言えば、自分の値打ちを下げるだけ。「喜んで!」と、頼まれごとを気持ちよく引き受ける人でありたい。
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