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「ひと言でいえば」という言葉

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『本当に頭のいい人がやっている思考習慣100』(宝島社新書)です。その中から「己の知を新鮮に保つこと」という題でブログを書きました。

本書の中に『「ひと言でいえば」という言葉』という心に響く文章がありました。

頭のいい人は説明も上手だといわれますが、その理由として、物事を的確で具体的な例を用いて説明し尽くす力があることが挙げられます。つまり、要約する力があるのです。 

抽象的で一般化しづらいような概念は、資料をつくったり図版をつくったりして、 時間をかけて説明するよりも、身近でわかりやすいひとつの言葉に要約し、置き換えて説明したほうが、はるかにわかりやすいことがあります。

「中央銀行の量的金融緩和」について説明をするのに、「えーと、まず景気や物価を下支えするためにマネタリーベースを増やしてだね、さらに...」と説明を続けるより、「ひとことで言えば、お札をたくさん刷って市中のお金を増やすということだよ」 と言ったほうがピンとくる人は多いでしょう。

この「ひとことで言うと」あるいは「要するに」などの副詞のあとに、本質をズバリと突く文章やワードが選べるかということです。 

お笑い芸人さんが、ファンから「どうしたらあんなネタが思いつくのですか?」と 聞かれたとき、自分の生い立ちから話し始めたり、一般論を話したりしても、相手にはなかなか真意が伝わらず、聞いていても飽きてしまうでしょう。 

「ひとことで言えば自分の体験談ですよ」と言えば、実際に体験してきた印象的な話を、上手にアレンジしながらつくっていることが要約されて伝わります。 多くの場合、会話であればこの要約は5秒程度、場合によっては3秒から1秒ですませることができます。

「そんな無茶な」と思うかもしれませんが、実際、テレビの生放送などでは司会者が、1秒、2秒の単位で言葉を選択し使っています。バラバラだった情報を1本の糸につないでいるのです。

話が長い人は嫌われる。何を言っているか、何を伝えたいのかわからないからだ。だから、長々とプレゼンしたり、説明しようとしている人には「ひと言でいうと、どういうことですか?」と聞くといい。

内容を分かっている人、理解できている人は、ひと言で説明できるが、分かっていない人は、また長々と話をしだす。「要約力」や「理解力」が身についていない人だ。

どんな話も、「ひと言でいえば」と要約して話をできる人でありたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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