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おいしいところだけ持っていけない

今日のおすすめの一冊は、中島輝(てる)氏の『エマソン 自分を信じ抜く100の言葉』(朝日新聞出版)です。その中から「自分の弱点や欠点に感謝する」という題でブログを書きました。

本書の中に「おいしいところだけ持っていけない」という心に響く文章がありました。

《人生は、避けがたい条件に包まれている》(エマソン) 

避けがたい条件とは、「原因があるから、結果がある」「得るものがあれば、失うものがある」など、人生には分離できないものがあるということです。 

エマソンはこのことについて、以下のように苦言を呈しています。 賢明でない人間は、富や名声を得るということは、苦しい面は受け取らず甘い面だけを得ることだと考え、自分の欲しいものを欲しくないものから切り離せると考える。 このような試みは、すべて失敗に終わることは明白だ…。 

仕事でもプライベートでも、物事がうまくいかない時は、切り離せないものの片方だけを得ようとしている時ではないでしょうか? 利益ばかり考えて先行投資をしなかったり、失敗を一切しないで成功させようとしたりしていませんか? 

本来分離できないものを分離し、片方の「甘い」部分だけを得ようとしてしまうのは、時々そうやって利益だけを獲得している人がいるからなのかもしれません。 それを自慢する人もいるでしょう。 

しかし、エマソンは「もし人生の条件を避けたように見えたとしても、それは人生に抵抗し、自分から逃げ出しているからにほかならず、それに応じた報いを受ける」と言います。 人生には、避けがたい条件を受け入れる覚悟が必要なのです。 

◆小林正観さんは、幸福と不幸についてこう語る。
 
たとえば、私たちから見て右半分が一般的に言われる「不幸」で、左半分が一般的に言われる「幸福」だと思ってください。 私たちが「幸せになりたい」とお願いすると、神さまは「わかりました」といって振り子を左に持っていくかと思いきや、右のほうに引っ張れるだけ引っ張るらいしいのです。 

たとえば、山の中で遭難して何も食べられなかったとしましょう。 なんとか助けられて里にたどりつき、そこで一杯のおかゆをいただいた。 それはこのうえなくおいしく、楽しく、幸せで、素晴らしい食事となります。 

でも、毎日のように贅沢な食事を食べ続けている中で一杯のおかゆをもらっても、その価値はわからない。 つまり、私たちが「幸福」を感じるためには、その前に、一般的に「不幸」と言われるような現象が存在しなければなりません(心を軽くする言葉)より 

「苦あれば楽あり」という言葉がある。 苦と楽は表裏一体で、片方だけを得ることはできないという意だが、まさに不幸と幸福も同じこと。 幸福を感じるためには、一般的にいう不幸という現象が必要だからだ。 

つまり、「おいしいところだけ持っていけない」ということ。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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