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勇気をもってとにかく動くこと
今日のおすすめの一冊は、茂木健一郎氏の『強運脳』(かんき出版)です。その中から『主語を「私」から「相手」へ』という題でブログを書きました。
本書の中で「勇気をもってとにかく動くこと」という心に響く文章がありました。
ここ数年は特に、あらゆることのスピードが加速し、めまぐるしく社会が変化し続けています。昨日まで正解だったことが、今日は正解ではないということも決して珍しくありません。
このように先が見えない状況の中にあっては、最初の一歩がなかなか踏み出せないといって悩んでいる人も少なくないでしょう。正解がわからない時代や環境に置かれていると、新しいことに踏み出すには大きな勇気が必要になります。
そこで大切になるのが「アニマル・スピリッツ」という考え方。イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズが、1936年に発表した『雇用、利子および貨幣の一般理論』(岩波文庫)の中で、アニマル・スピリッツについて書いています。
アニマル・スピリッツとは、予測不能な投資を行う投資家の心理を言い表したもので、「血気」「野心的意欲」「動物的な衝動」などと訳されます。 たとえば、厳しい時代に「起業する」「新事業にチャレンジする」「事業を拡大する」などは、アニマル・スピリッツにもとづく行動の典型例といえるでしょう。
私はそれだけでなく、 アニマル・スピリッツは「人間は時に勇気を持って動くことが重要なのだ」ということを説いているものだと解釈しています。 たとえ正解がない時代でも、自ら率先して動く勇気こそが他人を動かし、組織を動 かし、 そして社会をも動かしていく起爆剤になると思っているからです。
「正解や根拠がなくても、勇気を持って動いた者が勝ちを収める」 こんな気持ちを抱いて、前向きに行動してみてください。 そうすればきっと、運を引き寄せられるチャンスが近づくはずです。 難しいことは何も考えず、できることから始めてみるのです。
《正解がわからなくてもとにかく動く》
◆「アニマル・スピリッツ」とは、「獣勇(じゅうゆう)」のことだ。
福沢諭吉は「獣勇」についてこう語っている。
「盲目社会に対するは獣勇(じゅうゆう)なかるべからず」
一寸先が真っ暗闇の時代を生き残るには獣の勇気を持つことである。盲目社会、現代がそれに当たる。獣の勇気とは何か?獣は考えないゆえに、迷わず、こだわらず、とらわれない。(感奮語録)より
先が見えない時代、一歩を踏み出すのは考えていたら踏み出すことはできない。同時に、自分の思い込み、常識といったものを捨てなければならない。重い荷物を持っていたら、変化という大きな谷間を飛び越えることはできない。
もろもろの執着やしがらみを捨て、身軽になることだ。それがアニマル・スピリット、すなわち、獣勇だ。
「勇気をもって、とにかく動くこと」という言葉を胸に刻みたい。
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