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つくり手と広報の闘い

つくり手目線ではなく、
お客様目線。

そんな言葉をよく聞きますが、
それが正しいのか、
正しくないのかという事ではなく、
それは、その時々の一つの手段であって、
モノをつくる以上は、
時にはつくり手目線になる時は
必ずあるんだと思います。

モノづくりをジャマするのは、
むしろ、
正しいか、正しくないのかという
その議論自体であって、
お互いの主張をそれぞれ受け入れ、
共存していけば
良いん感じになるんじゃないかって思うんです。

お客様目線じゃないといけない。

それはそうなんですが、
じゃあ、そのお客様目線というのは、
何なのか、どういうことなのか。

それが、理解できず、
なんとなく、
「お客様目線が大切」という言葉を
大切にしてしまっている事が、
多いような気がしています。

つくり手のエゴと、
それをご利用いただくお客様。

それぞれがうまくいく方法を
考えていきたいものです。
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▼お土産用につくってなくでも、
 お土産で良いじゃん!!
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地域の名産品の菓子があって、
それが伸び悩んでいるという事で、
テコ入れしたいという案件がありました。

そこに挑戦するにあたり、
インパクトのある変化を考えました。

考えた結果が、
菓子を菓子として提供しないという方法でした。

ある程度、知名度がある菓子なので、
カテゴリーを変えても、
そのブランド力で勝負できそうな気がしました。

そこで、、、
ご飯にのせる菓子という観点で
商品開発をする事に挑戦しました。

これは、
地域のソウルフード的な立ち位置に
育てたいという想いがあり、
ご飯に合わせる事を中心において、
今までやった事のない
カテゴリーではありましたが、
相当な試行錯誤を繰り返し商品化が
ようやく実現しました。

商品の発売に合わせて、
メディアに対してリリースを出すのですが、
広報から上がってきた、
リリースの見出しは、
「新感覚の土産」でした。

菓子をご飯にのせちゃうっていう事は、
サブタイトルでした。

そもそも、
土産用につくっていない!!
地元のソウルフードだから、地元なんだ!!
土産じゃない!!
だから、
「ご飯にのせるお菓子」を見出しにして!!
土産っていう表現、やめてもらえません?

つくり手の想いを伝えたのに、
どうして言ってもいない事を書くんですか!!

そんな、罵声を広報担当に浴びせました。

広報担当は、
自分で試食して良かったから、
遠くに住む親戚に贈りたい。
その第一印象が、強く残っている。

そもそも、
地元名産品の菓子ってそういうもんでしょ?

結果どうなっているかというと、、、

地元の土産品として、
地元で広まり、テレビをはじめとした
全国ネットのメディアに取り上げられ、
慢性的に商品が品薄状態になりました。

そして、
SNS等を見ると、
菓子をご飯にのせて
楽しんでいただけているようです。

優秀な広報が、
身近にいて本当に良かったと、
罵声を浴びせてしまった事を平謝りして、
感謝しました。

つくる時には、多少のエゴは入るし、
モノづくりへの想いやこだわりって、
根っこにはエゴがあると思います。

ただし、届け方って言うのは、
お客様が利用しやすい方が良いんだと思います。

それが、
つくり手のエゴと、
お客様目線の共存ってやつなんですかね。

そんな、仕事を今日もしています。

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