国際経済ニュースで英語を学ぶ(第2回)
1. 経済ニュースの本質
最初に国際経済ニュースを理解するうえで超大事なことを伝えたいと思います。経済ニュースの大半って「ある数値Yの上昇or下降」なんです!!よく、原因である変数Xとセットで書かれます。具体化すると下記のようになります。
数値Y=GDP (生産, 所得, 消費), 経済成長率, 為替, 雇用/失業率, 貿易収支 etc.
変数X=災害(コロナ等), 経済政策, 金融危機, 技術革新, 人口動態, 貿易戦争 etc.
例えば最近のニュースの見出しを引用すると、
① Brazil’s GDP falls 1.5% as Covid-19 cases climb (Financial Times)
② Robots to replace up to 20 million factory jobs by 2030 (BBC)
③ Oil prices down with record new COVID-19 cases in US (AA)
と、基本的に経済ニュースはこのYとXの組み合わせが色々変わっているだけで、本質って同じだと思うんですよ。基本的にリスクと危機の方がニュースになりやすいので、まずは
☆下降/減少に関する英単語☆
Ex) price drops, economic decline, falls/slips into recession, plummet[急落], economic collapse, tourism crush, etc.
等をしっかり理解すれば趣旨はつかめます。
2. The Economist 例文
例えば、下記の米中貿易戦争に伴う両国の経済悪化が他国に与える悪影響に関する下記のエコノミストの記事ではplummetが登場します。
When one of the world’s economic giants sneezes, the rest of the world catches cold. Now everyone is coughing. Factory closures are being exacerbated by a rise in trade barriers. And global demand is plummeting as households’ incomes dry up and cash-strapped firms put their investment plans on ice.
【単語】Factory closure: 工場閉鎖, exacerbate: 悪化, trade barriers: 貿易障壁(輸入規制・関税など), cash-strapped: 資金不足, put A on ice: 凍結・中止する
発熱及び風邪とかけた表現技巧(dry up や ice)もさることながら、記事の趣旨は、工場閉鎖・国際的な需要急落・家計所得・投資等の「減少」がキーワードと要約することができるでしょう。また、余談ですが、「米国がくしゃみすると日本が風邪ひく(when the US sneezes, Japan catches a cold)」の表現は聴いたことある人も多いかと思いますが、風邪ひき患者はJapanだけでなく、Canada、Mexico、Europe、Worldなど豊富な表現バリエーションがあるみたいです 笑
3. ビジュアル解説
「右脳派だからビジュアルでまとめてくれ!」という声が聞こえたので、図示すると、数値減少ストーリーは下記の①下落型(左図)と②縮小型(右図)に分類できるでしょう。
先に挙げた英単語例(drop, decline, fall, slips , plummet, collapse, crush, etc.) が①下落型に該当するので、ここでは②縮小型で頻出の英単語として3つ例を挙げてみます。
Ex) economic shrink, downward/deflation spiral, economic contraction(経済の縮小), etc
4. 結び
さて、いかがでしたでしょうか。「上昇/増加」系の単語や応用としての「回復」型についてはまたいつか紹介できればと思いますが、今回紹介した点は自分が国際経済ニュースを読む際に大切にしていることなので、少しでも参考になればうれしいです。今日も読んでくださり、ありがとうございました!次回は、「比喩表現で学ぶ経済単語(Metaphors in Economics)」を明日(21日)に連載します。ではまた!