Y世代の葛藤と憂鬱 - X世代に従うか、Z世代に学ぶか
私はY世代。就労人口の大よそど真ん中に位置し、上司はX世代、新たに入社してくる若手はZ世代、そんな狭間の世代だ。
Generation X(X 世代)= 1965 – 1980年生まれ 41 – 56歳
Generation Y(Y 世代)= 1981 – 1996年生まれ 25 – 40歳*
Generation Z(Z 世代)= 1997 – 2012年生まれ 9 – 24歳
*Y世代は2000年代に成人を迎えたMillennialsを含む。
*年齢分布は2021年時点
X世代は企業の要職に就く一方、Z世代はデジタルネイティブとも呼ばれ、X・Y世代よりも今必要なデジタルリテラシーが一般的に高いと言われる。
私が初めてガラケーを持ったのが高校2年生。
友人と「写ルンです」で思い出を残す一方、娘が初めてiPadを操作し、YouTubeを見始めたのが幼稚園児の時。
彼女の思い出の多くはiCloudに保存されている。この違いだけでいかに世代間の常識や価値観にギャップがあるか簡単に想像ができる。
人生100年時代。
Y世代にとっての残りの就労期間は、短く見積もっても20年~40年。ここに大きな論点がある。
それは、
上(X世代)を見て仕事をすべきか、下(Z世代)を見て仕事をすべきか?
時代の変化は加速度的に早くなっている。
つまり、X世代⇔Y世代間よりも、Y世代⇔Z世代間の環境変化の方が大きい可能性がある。
更にY世代の上司はX世代。良くも悪くも強い影響を受ける。
私が人生において最も影響を受けた先輩もX世代だ。
当然「構造的に」Y世代の思想はX世代に寄る。X世代に寄せることが、出世や成功への近道になる。
しかし、X世代はY世代より早く土俵からいなくなる。
そして、Z世代が存在感を高める。「心理的安全性が高い職場と民主主義の罠」にも書いた通り、求められる組織風土も異なる。
しかも厄介なことに、これは会社の中だけの話では終わらない。
消費者としてのZ世代が存在感をどんどんと高め、購買力を付け、Z世代の価値観を理解しない限りビジネスが立ち行かなくなる。
そこで消費者としてのZ世代の価値観を理解できるZ世代が会社の要職を占める。そんな日が来ることは容易に想像できる。
いや、それは既に起きていることなのかもしれない。
そこでまた同じ問いがY世代に突き付けられる。
上(X世代)に従うべきか、下(Z世代)から学ぶか?
答えは明確なのかもしれない。
いや、そう簡単な話でもない。
一つ言えるのは、自分を引き上げてくれたX世代はいつかいなくなり、新しい価値観で武装したZ世代が台頭するということ。
こればかりは世界的なトレンドとして避けられない。
その時に自分がどのようなポジショニングを取っているのか、そのために今何ができるのか?
Y世代の葛藤と憂鬱はしばらく続きそうだ。