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コーチングってなんぞや?-旅に出て15か月たちました-
こんにちは、ひろのです。
コーチングの旅にでて、約15か月。
THE COACH Academyでコーチングを学び、プロコースを修了して半年が経とうとしています。
コーチングをしながらひしひしと学び直したい気持ちになり、基礎コースをふり返りました。これを機に、今のわたしが思うコーチングってなんぞや?を言葉にしてみたいと思います。
コーチングのことを知らないけどアンテナが立ってる方にとってなんらかのきっかけになると嬉しいです。
旅立ち当時の言葉はこちら。
結論
まず結論から書くと、コーチングとは、問いをもって生きることを支援する関係性である、と考えています。
これを軸に何のためにやるのか、何をするのかを言葉にしてみます。
モヤモヤ
言葉にするためにすこし寄り道。お付き合いください。
いつもの日常を思い返すと、モヤモヤすることって必ずあると思うのです。場合によっては過去のモヤモヤを長年引きずっていることも。人によってはモヤモヤではなくてイライラやズキズキかもしれません。違和感やひっかかりという表現のほうがしっくりくる場合もあるかも。
たとえば、この進路・仕事でいいのかなというキャリアのこともあれば、漠然とつづく日常のことを考えたり、何か変えたいけど何をどう変えたいのかわからなかったり、身近なだれかとの会話で生じる場合もあるかと思います。
そのモヤモヤを言い換えると「納得できていない」状態になるのかなと思います。改めてそれってどういうことでしょう?
納得とは何か?辞書をひいてみました。
納得:他人の考え・行為を理解し、もっともだと認めること。
もっともだと認めること?こちらを言い換えると「得心が行く」ということなのかな、と転換。
得心が行く:十分に承知する。よくわかって気持ちがおさまる。
わかって、気持ちがおさまる。わかるだけではないんだな。言葉遊びできりがないですが、もう一つだけ気になるので調べてみました。承知とは何か?
承知:旨を承って知ること。(願い・要求を)聞いて引き受けること。
納得が成り立つキーワードは「聞く、知る、わかる、気持ちがおさまる、引き受ける」あたりでしょうか。
モヤモヤとはどういう状態かを言葉にし直すと、頭と気持ち(感情・こころ)が一致していない状態、合意形成がとれていない状態なのかなと思いました。反対にモヤモヤが生まれないときは、合意形成がとれて、引き受けられているとき。
そしてモヤモヤしているときを思い出すと、程度の差はあれそれをどうにか解消したい、もしくはまぎらわせたいと悩むことになります。ときに仕方がない、どうしようもないと諦めて判断していることもあるかも。
悩む:苦痛をおぼえる。わずらう。
悩むと精神や身体にまで影響がおよんでいく感じ。さきに身体の不調からモヤモヤに入っていくこともありますね。
なんのためにやるのか
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どんなときもモヤモヤが発生するとやっかいです。心地よくない。それにモヤモヤは時間泥棒です。会社で生まれたモヤモヤが帰宅後にも主張してきて、リフレッシュできないなんてことも少なくない。リフレッシュのためやストレス発散のための浪費泥棒にもなり得ます。
そんな泥棒モヤモヤはそもそもなんのために発生しているのか。
心地よくいたい、穏やかでいたい、成長したい、成功したい、わくわくしていたい…人によってさまざまだと思いますが、突き詰めれば「よく生きたい」に収束するのではないでしょうか。
なぜよく生きたいのか問われても、哲学的な気もするし私もまだ答え(仮説)を持ってはいませんが、アリストテレスや仏陀のころから考えられ、よく生きたいがために時流とともにあらゆるものが発展を遂げてきたのだと思います。
「君たちはどう生きるか/ 吉野源三郎」がロングセラーであることだとかジブリ作品になることからも、現代を生きるわたしたちにとっても、誰も答えを知らない共通する主題ではないでしょうか。
そしてわたしは、コーチングは「よく生きる」ことに役立つ手段のひとつだと捉えています。そもそものコーチの語源は、人を目的地まで連れていく手段である馬車に由来しているそうです。この「よく」がどういうものかは、今の時代において、ひとりひとりに無限の正解があふれている。
そしてそれは、わたしたちが自ら選んでいけるもの。コーチングは、無限の選択肢とともに迷い悩みながらも納得とともに選択することに役立ちます。
なんだかマッチョな感じが出てしまいましたが、今日より明日やひと月後、1年後を変えたい気持ち、時間を有意義に使いたい気持ちがあれば役立つと思います。
何をするのか
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では、コーチングはなにをするのか。コーチングは聞き手であるコーチと話し手であるクライアントによる対話を行います。この対話はセッションとよばれています。
その対話を通して、コーチはクライアントが自分自身に対して「聞く、知る、わかる、気持ちがおさまる、引き受ける」を行うことを支援します。
クライアントが自分自身に対して、というところがポイントでコーチは下に示すジョハリの窓の右下にあたる、クライアント自身もコーチも知らないことに焦点を当てた問いかけを中心に聞いていきます。
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それだけ聞くと、質疑応答やインタビューを連想するかもしれません。それらと大きく異なるの点をざっくりあげるとすると ①全体性 ②好奇心の矛先 ③関係性 の3つがあるように思います。
①全体性
日常や仕事ってすごい速さで評価・判断をしてあらゆる選択をしていますよね。それと同じくらい、自分自身に対しても評価・判断をくだしている気がします。勝つため、リスクを負わないため、居場所をつくるため、傷つかないため、自身ができるだけ過ごしやすくいられるために携えている。でも、案外自覚がないものです。自覚の有無に関わらずその評価判断の積み重ねによって今日の自分が成り立っています。
これまでも十分よく生きてきたと思うのです。それでもモヤモヤしているならばその判断のものさしを自覚したり見直したりすることが有効です。
それは「ものさし」をとりまく全体性を知る、ということです。そのために、以下の在り方を土台にしています。
・自分も相手も、ありのままでOK
・評価判断しない
・光も影も両方合わせてひとつ
この在り方によって、安心安全な場がうまれ、出てきた言葉がどれも対等に扱われ、自分自身の言葉を聞きやすくなります。極端に正反対の在り方のひととの対話を想像すると、何も話したくなくなりますね。
セルフコーチングだけでは難しい理由のひとつもここにあります。
②好奇心の矛先
コーチがとくに好奇心を向けるのは、感情や価値観などの内面です。日常だと、事柄が多くやりとりされます。「わかって、気持ちがおさまる」の気持ちの部分って日常で深く言葉にしていくことって多くはない。愚痴を話したりすることもあるけれど、体裁はまもっていたり。
反対に、今のご時世だとなにをどのように合理的に取り組むかという思考は自ずと鍛えられる。鍛えられるほどに気持ちに気づきにくくなる気もしています。だから、コーチングでは気持ちを丁寧に取り扱います。
コーチからの問いかけで気持ちを聞かれたりするんですけど、慣れないとよくわからないんですよね。自覚がないから。でも繰り返しその時間をとっていくと、ちゃんとわかってくるものです。わたしの体験談です。
③関係性
コーチングはコーチとクライアントの関係性によって成り立ちます。同時に日常の役割は手放している状態だとも感じています。いつもはいろんな役割を担っているけれど、それらを担うあなたそのものはどんなひとなの?って一緒に見つめます。
それってこころの柔らかい部分にも触れることになります。だからこそ、安心して話せる関係性を一緒に大切にすることは最も欠かせないのです。
そして、コーチ自身はクライアントの人生を変えることはできません。コーチとコーチングの時間を通して、自身のなかにある声を聞いて、知り、わかり、引き受けたさきにどのように役立てるかはクライアントの行動次第です。コーチはクライアントの可能性を信じてやまない存在として支援し、ともにいます。
もやもやを手放すのはなかなか大変です。もやもやすることによって、大切にしているものもあるからです。そしてコーチから受け取りにくい言葉を渡されるのもなかなかしんどいです。だからこそ互いが関係性を主体的につくるという姿勢が大切です。
コーチングセッションは単発でも行われますが、継続することがおすすめです。継続的な関りによって関係性が深まり、話しやすく、自分自身の声を聞きやすくなります。それは自己受容に繋がって、より自分自身を大切にすることにつながる。そうなると行動の選択肢も変わってきます。
コーチングってなんぞや
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つねづね、わたしたちの日常は、季節も雲の様子も気分も細胞も瞬間的に移り変わる世界でできていて、それに癒されているな~と感じています。風が吹く気持ちよさ、夕日が沈む色彩、旬のもののおいしさ。でも、不思議なもので、移ろいの中でも変わらない何かを探そうと苦しんでいる気もする。そして過ぎ行く時間に追いかけられている。
なにかを完全な正解だと固定すると正解に合わせにいきたくなったり、違うと苦しくなったりします。でも判断のものさしが何もないと、なにも選択できない状態にもなる。矛盾する。ややこしいったらない。
だからきっと、「問うて、聞き、知り、わかり、気持ちがおさまり、引き受ける」のそれぞれのステップと移ろいに自覚的になりながら過ごすことが大切で、それがよく生きることに繋がる気がします。そしてそれはなかなか気長にやっていく必要があって、ひとりでは大変な作業です。だから関係性のなかで取り組んでいく。
そんな考えから、コーチングとは、「どのように生きたいあなたがそこにいるの?」と問いをもって生きることを支援する関係性であると捉えています。
コーチングという関わりが広がることは、共生し共創していく循環の広がりだと感じていて、わたしはすてきだなと思っています。そこに携わりたいから、これからもコーチとしてもクライアントとしてもコーチングの旅をつづけます。
よく生きるの「よく」の質感や価値観が違う分だけいろいろなコーチとコーチングが存在します。もしもコーチングに関心がたったらぜひ、なんだか気になるなと直感がはたらくひとに出会いに行ってみてください。
最後までお読みくださりありがとうございました。
わたしもクライアントを受け付け中です。まとまっていないけどなんとなく興味があるって感覚でももちろん大丈夫です。
わたしが学んだTHE COACHのコーチングや学び場にご関心をお持ちでしたらこちらをぜひ。
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