営業活動に学ぶ、エンジニアのアジャイル化活動
この記事で言いたいこと
記事が長くなってしまったので、先にこの記事の要約です。
・IIBIの営業の営業手順は、①キーマンを探し、②マインドを変えてもらい、③正しい活動を作る手順です
・営業活動に限らず、組織に何かを導入しようとする時、この3stepが有用
シン・アジャイル Advent Calendar 2022
この記事は、シン・アジャイル Advent Calendar 2022の23日目です。
2022/12/8に、「一人から自部署、そして組織へ、芯からアジャイルにする」というイベントがありました。弊社営業兼POの原田と一緒に登壇させていただきました。
弊社で、私が行っているエンジニア部門でのアジャイル化活動は、営業が行っている、顧客に対する活動と相似しています。その内容を、当日発表しました。アジャイルジャーニーとして、この時の発表の概要を、記事にしました。当日のスライドはこちら。
IBI営業の顧客に対する営業手順
IBIの営業担当は、次の手順で、営業を行っています。
①営業先のキーマンを探す
②キーマンにとりくむ意義を理解してもらう
③正しい実行方法で実施してもらう
それぞれ、の手順で参考にしているのが、
①が、隠れたキーマンを探せ! データが解明した 最新B2B営業法
②が、「チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」」
③が、「THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス」
になります。
営業が接するべきは、キーマン①
顧客に何かを導入してもらう時、接するべきは、単に最初に接した人や、決裁権者ではありません。そもそも、顧客の購買活動は複雑化し、関わる人が平均5.1人います。そのため、必要性を理解でき、顧客組織の中で普及する能力のある人(キーマン)に接する必要があります。
顧客に意義を理解し、マインドを変えてもらう②
営業として売上が一番高いタイプのは、「チャレンジャー」タイプと言われる人達です。成績が良い営業は、顧客とのコミュニケーションが上手く、関係性のある営業をするタイプと思われがちですが、そうではありません。「チャレンジャー」タイプの営業が、顧客に商品の意義を理解してもらうためには、顧客のマインドを変えてもらう必要があります。その際、必要な能力が、「指導」、「適応」、「支配」です。
正しい活動をしてもらう③
Saasのシステム等を導入した場合、導入しただけでは、そのシステムは活用されず、契約がすぐ終了していまいます。そのため、顧客に具体的で正しいプロセスで実施してもらう必要があります。
エンジアリング部門でのアジャイル化
IBIの開発において、私の行った行動も、①キーマンにアタックし、②マインドを変えてもらい、③IBIのアジャイルプロセスを作ることでした。
IBIの開発は、もともと外注先の開発会社に依頼していました。リリースのスピードが遅く、各部門から、「会社のボトルネック」と言われていました。私は改善するため、内製化しアジャイルで開発していきたいと考えていました。しかし、社長を含めP.Oも、営業畑なので、「細かいプロセスを設定すれば、後は量が取れる」という考え方。開発も、「設計を完璧して、専門家の外注先に、どんどんにつくらせればよい」と考えていました。多くの方が理解しているかと思いますが、システムの開発の現場は、人を増やして、沢山つくれば良いというわけにはいきません。特にIBIは、あるかわからないニッチ市場に入り込む必要があるので、不確実な事だらけです。小さく早くリリースし、検証して、改善することが必要です。そのためにも、アジャイル化が必要と考えていました。
キーマンの選定①
量を重要視している組織で、いきなり、「量ではなく、リードタイムを短くする。そのために、アジャイル化だ」言って、導入できるわけでありません。まずは、マインドを変えることができそうな人で、導入を広めてくれそうな人に相談しました。それが、IBIでは、社長(ゴーゲッター)とあるPOのM(ティーチャー)でした。
マインドを変えてもらう②
キーマンに、「量ではなく、リードタイムを短く」のマインドを変えてもらうため、まずは導入しやすい月額契約にし(適応)、あとは十八番のプロセスを持ち出し内製化を図りました(支配)。
正しい活動③
内製化しただけでは、もちろん、何か変わるわけではありません。スクラムのフレームワークを参考にしつつ、IBIの開発プロセス作り、何度も改良しました。この際、改善を回せるよう、エンジニアリング部門全体のKPI(1フォーカスのリリース数)、各プロセスでのKPIを決め、毎週のふりかえりで改善を図っています。
アジャイルでプロセス?
アジャイル宣言では、「プロセスよりコミュニケーションを」という一文があります。「アジャイルでプロス」ということに疑問を思う方がいるかもしれめません。何かを複数人で初める時は、さぁはじめようとなっても、はじめることはできません。プロセスを明確化し、活動してもらい、プロセスを常に改良していくことが、重要だと考えています。
部門最適はサイロ化を生むのでは?
エイジニリング部門内で、プロセスを細かく明確にしてKPIを立てて改良を現状しています。そのため、部門最適に陥り、サイロ化する可能性もあります。ただ、現状ではむしろ、POとコミュニケーションが増えています。現在、チーム全体で、1フォーカス(2week)チーム全体で3.8リリースというKPIがあります。エンジニアは、1フォーカス(2week)でできる事を常に意識ししているので、POと密なコミュニケーションを取っています。この事に関しては、21日目のアドベントカレンダー「内製チームでの、段取り替えと横槍との戦い」で記事にしているので、参考にしてください。
まとめ
・IBIのエンジニリング部門での、アジャイル活動は、①キーマンを探し、②マインドを変えてもらい、③正しい活動を作る手順で行いました。この手順は、IBIの営業の営業手順に相似していました。
・営業活動に限らず、組織に何かを導入しようとする時、この3stepが有用だと考えます。
・プロセスは必要で、最適化するためにプロセスを常に変えていく事が重要と考えています。
・部門のプロセス最適化とKPIばかりを追うと、サイロ化を生む可能性があります。しかし、KPIの設定の仕方によっては、部門横断のコミュニケーションが増える傾向にあります。
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