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『月夜と眼鏡』の朗読について

画像はいつも通りAI画像作成してくれる「MAGE」で作成したうちの一つ。これか迷った。

先月朗読した小川未明作の『月夜と眼鏡』、朗読の題材としてもよく選ばれているという情報があり挑戦してみた。小川未明先生の作品で初めて読んだのは、『野ばら』という作品だった。恥ずかしながら名前を知っていながらも、自分が忘れているということを除けば、ほとんど作品を読んだことがなかった。
日本のアンデルセンとも呼ばれるだけあり、その童話としてのクオリティや幻想性、寂しさや虚しさ。子どもには童話として語られるある一つのお話にはなるが、大人が語るとなると、その人物背景やシチュエーションが言葉の間からにじみ出るというか明らかな存在感を持って出てくるという感覚がある。
『野ばら』が私にとってはいい例で、国境を守る若者と老兵、二人の兵隊の対比と見せて、老兵は息子を、若者は父親を投影しているんじゃないかと思える。また、老兵は若者の姿に過去の自分と庇護欲、若者も老兵の中に純粋な尊敬と敬意を感じている。
二人は野ばらが咲いている国境を守りつつ、仲良くなるのだが最後、両国は戦争をはじめて若者は戦力になるため戦争をしている前線に向かう。
最後、老兵は寒さが身体に堪えるからと秋になる前に故郷へ帰るが、その心理は単に寒くて我が家が恋しくなったのではなく、若者との思いでである野ばらが咲く季節を一人で迎えたくなかった…そんな気持ちがあるような気がした。
小さな子どもにとっては「二人の兵隊さんのお話」にはなるが、暖かくも寂しいあの時聞いたお話が、心の隅に残って染みていくのだろうと思う。いつかこのお話も練習して読みたい。業務の中で朗読劇にしたことがあり、頼んだ方々も快く応じてくれて、できたのは本当に良かった。
いつか自分も練習して、朗読として読みたい。

図書館でも特に子どもたち対象に読み聞かせを行っているところは多いと思う。今は、直接図書館の職員が読み聞かせるのではなく、外部のボランティアさんや読み聞かせ団体に協力をしてもらっている場合も多いのではないか?
まあ、いろいろある図書館業務のうちの一部であり、人員削減の波がどこもあるので、ノウハウや活動実績、やりたい!という気持ちのある方はどんどん活用していくのが当たり前になってきているなあというのが中にいる立場からの感想です。
読み聞かせが好き!!図書館では力入れてやりたい!と思う方には、ちょっと流れが違うのかなと。大きなお話会も、会場作ったり、司会やったり、出演してくれる方や団体の調整とかそちらがほぼメインになるのかなあと思っている。館の規模にもよりけりなところもあるだろうとは思う。
なので、しゃーやるぞ!とやる気を出した朗読劇の時は…奔走していました。自分たちでやるというのも大変。だいぶ前から原稿を作成し、音響の設定をし、実際やる時は音響詳しい団体さんの力を大いに借りたり…そして当日も演者ではなくPCから音響を出し、音に厚さを加えるため「ワンワン」など陰からやっていた。
声優さんや役者さんのやる「朗読劇」は、演者がいて役としてセリフを言うので、登場人物に合った声色を使ったりされるが、図書館でのいわゆる読み聞かせは、声色を変えたり役になり切って読んだり、抑揚をつけすぎるなと言われたりする…
演劇等を知っている方からしたら、それってつまらなくない?と思われると思う。AIの読み上げに近いか…と言われればそれともまた違う。図書館的読み聞かせの研修のようなものも、児童サービス研修等の一環としてあるけれど、正解がわからない。家庭で親子ふれあいながらの読み聞かせスタイルがベストとすると、別にプロでもうまくもない両親がこどもの読んでにこたえて「じゃあ読もうか」で始まる状態と言っていいのだろうか。
その理由は、どんな登場人物で背景でどんな気持ちでというのを子どもに想像してもらうため、読み聞かせる人は作っちゃダメ!みたいなところがある。
例えば、おばあさんが出てきたらしわがれ声で「りんごはいかがですか」
若い娘なら高めの可愛い声で「ありがとうおばあさん」
王子様ならなんかかっこよく!!やりたくなるところだけれど、それを頑張って抑える感じになる。子どもの想像や感じ方の邪魔をしてはいけない。
しかし、全部ダメなのではなく、大きな声で言いました等があれば大きな声で言うこともあるし、巨人が出てきたらジャックよりもゆっくり低い声でセリフを言うこともある。うーん、調整が難しい。声は変えない、雰囲気をだそうとして変わっちゃうのはアリ…のような所だろうか。
大人ほど、読み聞かせつまらんな…と思うかもしれない。そして、作者の文章に忠実に(もちろん間の開け方は読み手のタイミングあり)、お話を始める前はタイトル・作者・出版社も読んで始めたり…
不思議な感覚、不思議な世界だなと振り返ってみて思う。
なので、今回の『月夜と眼鏡』の朗読は、図書館の読み聞かせというよりは演じてみましたの内容になります。
最近流行っているオーディオブックのことで、少し前に抑揚のある演じての朗読じゃなくてAIみたいなのがいいというポストに対して様々な意見がでていたことがあったことを思い出した。私は、いろんなの聞きたいしどんな解釈したのかわかる、人が読み手の物、読むスピードが変わったり気持ちが入ってるのが面白そうだなと思う方。オーディオドラマやドラマCDも好きなので。しかし人によっては、より自分で読書している感覚に近いほうがいいという人もいるし、『朗読』にも図書館的な抑揚おさえめな読み方もあるし、あえてそういう朗読をすることもあるし、演技を聞きたいとなればオーディオドラマや朗読劇な感じでBGMも使いまくって楽しむというのもできる。
読み手になる人も、日々研究をしたり、作品や役によってアプローチを変えたりしている。
自分もいろんな朗読聞いて、これ読んでみたいという作品に出合いたいと思いつつ…。また練習して、動画をアップしたい。


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