“すり足スタート”について物申す
たまには技術にも触れましょう。
ということで、今日は
走りに関する技術的な話をしていきます!
内容はみんな大好き
“スタートダッシュ”について
先週から電話にて
アドバイスを始めた
教え子が僕にはいます。
毎回10回以上質問してくれるので
ついつい気持ちよく
答えてしまいます。
そして、その子に
“すり足走法”について
質問をされたので答えました。
すり足走法(スタート)は△
結論から言うとすり足走法は
身につけるべくして身につける練習
ではありません。
すり足走法(すり足スタート)とは
クラウチングの姿勢から
2歩目が出る際につま先を擦るスタートフォーム
のことを指します。
また、つま先を擦ると言う以上、
シューズやスパイクの消耗が激しい走り方です。
しかし、元々はつま先を擦ることは
ないようなフォームでした。
そもそもどうして、
このようなスタートが
生まれてしまったのでしょうか?
短距離王国ジャマイカにて
アサファパウエル選手やボルト選手など
低いスタートで対抗しようと
様々な議論や考えが飛び交う中で生まれたものではないか
と考えています。
大前提、すり足スタートの特徴は
・最短距離で足を前に運ぶ
・低く飛び出し、より前方向への推進力を得て
スタート曲面でリードする
というのが狙いです。
元々は、擦ることに何も言及されていないように
結果的に2歩目を擦る選手が出てきてしまった
というだけだと考えられます。
従来のスタートフォームが
足を下から引き上げる力と引き上げた足を
落とす力を利用して推進力を得つつ、
スタートからストライドを出す、というものでした。
現在のアメリカ選手で例えると、
すり足スタートがコールマン選手、
従来のスタートがノア・ライルズ選手とすると
わかりやすいかと思われます。
彼らの100mのレース展開からも
それぞれのスタートフォームが
生み出す効果がわかると思います。
そして、近年の活躍選手を見ると
一歩目を擦ったようにスライドさせて行われている
スタートフォーム、通称すり足走法が
注目され、他選手にも注目を受けています
ただ、それは本当に
表面的な部分しか見られていないため、
とても危険な判断(まねる)をしていることになります。
スタートフォームに限らず、私たちが
トップ選手を模範にするのは良いことだと
僕も思います。
ただ、あくまで模範で留めておくべきであり、
その域を超えてしまってはあなたらしさが失われ、
本来のあなたの長所がなくなった走りが
完成してしまうでしょう。
危険な考え方
中学生・高校生にありがちなのは
表面部分のみを見て、正しいものだと判断し
自分の走りを置き換えてしまうことです。
ただここから生まれるのは
感覚や体にどこかマッチしていない
フォームが癖付き、実際に
タイムが伸び悩んでしまうと言う結末です。
その結末にならないためにも
まねるときは意図や思考から
まねるようにしましょう!
スタートダッシュについては
後日、動画なども踏まえた上で
説明をしていきたいと思います!
結論を言うと、
すり足スタートは確かに
うまく機能すれば前への推進力が得られて、
前半でリードできる走り方だと考えられます。
ただ、低い姿勢のため、つまずきやすかったり
つま先を擦りやすく、シューズを壊してしまう
というリスクもあります。
美徳だけでは速く走れない
と言うのが実際のところだと思います。
トップ選手のかっこいいスタートを見てしまい、
その姿形に憧れて、本来のフォームの意図とは
違った解釈で用いられてしまうことは避けたいですね。
それでは今回はここで終了します!
ありがとうございました!
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