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壊れたものは

来週はお別れとなる準備をして
一緒に過ごした時間のすべてを
長大な文章にした
数えれば十四時間半となる春のあいだに
救われただろうか
里山の川のそばから
生まれた海へかえろう
僕の手の軍手は血に染まっているけれど
その手は白く まだ重いものさえ
持ったことがない
大空と月と星と太陽と
大いなる祝福をうけるのだから
一緒に祝う人はいない けれど 潮風
どこからか香る町へもどってもういちど
祝福をうけるのだ